はじめに

マーケットに起き始めた変化

ここまで今期最高益を更新しそうな企業を見てきました。こういった新型コロナに負けない、またはコロナ禍が業績の追い風になった企業の株価は、これまで概ね好調でした。しかし、足元で少し変化が出てきています。

1月以降の株価パフォーマンスを見てみましょう。業績好調なSGホールディングス、日清食品ホールディングス、ワークマンと、その反対に新型コロナの影響で業績が絶不調な日本航空(9201)やJR九州(9142)の株価騰落率です。

日経平均が7%余り上昇する中、SGホールディングス・日清食品ホールディングス・ワークマンとも日経平均のパフォーマンスを下回っており、3社とも株価が下落しています。一方で、日本航空とJR九州はともに10%台の大幅上昇となっています。

筆者はこの傾向の変化は、マーケットがいよいよ「アフターコロナ」を織り込み始めたものではと考えています。

英国では昨年12月にワクチン接種が始まり、報道によれば現在までに人口の2割近くにあたる約1,200万人の接種が完了したそうです。すべてがワクチンの効果によるものかはわかりませんが、結果として英国の新規感染者数は顕著に減少しています。

日本株についても、これからの投資戦略を検討するにあたっては、「アフターコロナ」を強く意識する必要がありそうです。日本航空やJR九州のように新型コロナの影響で一時的に業績が悪化したものの、経済が正常化していくことで業績を取り戻せそうな銘柄を狙うのも一考と言えるでしょう。

<文:マーケット・アナリスト 益嶋裕>

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