はじめに

保険と貯蓄は別モノであると、認識することが大切

現在加入している医療保険は、積み立て型で毎月の支払額1万5,000円です。満期の受取金等を差し引くと、掛け捨てタイプの医療保険よりも保険料が割安になりますので、ある意味お得です。恐らく気づいていらっしゃるかもしれませんが、保険と貯蓄は別モノです。そのため、保険という一つの金融商品で、異なる「保障」と「貯蓄」を賄うとなると、デメリットが生じてしまいます。

これは、保険に限ったことではありません。より効果的に運用をプランニングするためには、一つの商品のみでリスクに備えるよりも、組み合わせたほうがリスクを分散することができますし、より自分にマッチするような商品を手にすることができるのです。

医療保険のタイプから自分に合った保険を考えてみましょう

相談者様は、どのようなタイプの医療保険が良いのかを知りたいとのこと。簡単にタイプの説明をしますので、どのような医療保険が良いのかを考えてみましょう。

積み立て型
病気やケガにならなくても、満期金が受け取れるため保険料が無駄にならないことがウリ。ただし、保険料が割高になってしまうとともに、中途解約した場合、予定していただけの金額が受け取れないこともあります。積み立て型が向いているのは、保険料の支払いにゆとりがあり、少しでも損をしたくない人などです。

掛け捨て型・更新ナシ
満期金がないため、保険料がそのぶん低めに設定されており、現在主流となっているタイプの医療保険。保険の種類も多く、保険料は終身払いですが、金額は変わらず、見直ししやすいのが特徴です。ただ、健康で一度も保険金を請求したことがない人からすると、損をした気になってしまうこともあるようです。掛け捨て型・更新ナシタイプが向いているのは、少しでも保険料を抑えたい、柔軟に見直ししたい人です。

掛け捨て型・更新アリ
更新ナシタイプと同様に、掛け捨てのため、保険料が低めに設定されています。柔軟に見直しをすることもできて便利です。ただ、更新時になると、更新時の年齢の保険料となってしまうため、保険料が増えていってしまいます。掛け捨て型・更新アリタイプが向いているのは、年齢が若くライフプランが定まっておらず、できるだけ保険料を抑えたい人です。

相談者に向いているのは…

3つのタイプから判断すると、相談者様の場合は、現在の積み立て型に加入しつづけるよりも、新たに掛け捨て型に加入し直したほうが良いでしょう。年齢から判断すると、更新ナシにして支払保険料を確定。お金の流れを明確にし、浮いたお金を運用に回すことをお勧めします。

医療保険は分散して加入するのもアリ?!

掛け捨て型・更新ナシ1本のみに加入しても良いのですが、一般的な病気やケガのみを保障する医療保険に加入し、ガン保険は別途加入するなどとすれば、解約しやすく、より自分のライフプランにマッチした医療保障を準備できるようになります。

もちろん、一般的な医療保険そのものを2社に分けて加入し、保障が不要になった1つだけ解約するという方法をとれば、さらに自由度はアップします。医療保険はオンラインでシミュレーションおよび加入できる会社がたくさんあります。試してください。

浮いたお金の運用先はどこでする?

将来、年金は受け取れるものの、退職金はないとのことですので、セカンドライフに備えた貯蓄をスタートさせても良いかも知れませんね。

たとえば年金を増やすために、「iDeCo」で運用するという方法がありますし、そのほかにも「つみたてNISA」などもお勧めです。「iDeCo」「つみたてNISA」ともに税制優遇が受けられますので検討してみてください。

もし気になる金融商品があるのなら、その商品で運用してもOKです。その場合は、商品内容をチェックして、どのようなメリットとデメリットがあるのかを確認することをお忘れなく!

保険や運用先を選ぶときは、分からないことがあったらそのままにせずに納得してから始めることが大切です。その場に流されることなく、契約することを心がけてくださいね。

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