はじめに
「節税」と「資産運用」を意識する
年収が高い場合には、「節税」を意識して、少しでも税金を安くしつつ、手元に残るお金を増やすことも意識しましょう。
まず、「所得控除」を活用することで節税することができます。会社員が活用できる代表的な所得控除としては、
・小規模企業共済等掛金控除
iDeCoの掛金は全額所得控除になり「小規模企業共済等掛金控除」が適用になります。その結果、所得税、住民税を安くする効果があります。
・生命保険料控除
民間の生命保険に加入している人は、「生命保険料控除」が適用になります。2012年以降に契約した人は、介護医療保険料が加わっているため、最高で一般の生命保険料4万円、個人年金保険料4万円、介護医療保険料4万円の合計12万円の控除が受けられます。
・寄附金控除
ふるさと納税を利用して自治体に寄附すると、2,000円を超えた金額については、所得税と住民税から控除(税金から差し引き)することができます。加えて、寄附のお礼として返礼品ももらえます。
・医療費控除
1年間に医療費が10万円を超えた場合、10万円を超えた分の金額が所得から控除されます。自費を含めた病院の通院費や入院費、自宅療養の費用、歯医者にかかったときの治療費や薬代はもちろんのこと、マッサージやハリ治療などにかかった費用、ドラッグストアで購入した医薬品、通院にかかった交通費も含めて最高200万円まで申告することができます。医療費控除は家族の医療費も合算して申告することができます。
・セルフメディケーション税制
1年間に対象となる市販薬を購入し、1年間に支払った金額が1万2,000円を超えた場合、その超えた分の金額(最高8万8000円まで)について所得から控除されます。医療費控除とセルフメディケーション税制は、併用できないため、どちらかを選択します。
また、将来に向けてお金を増やすことも積極的に考えましょう。税制優遇の恩恵を受けつつ、将来のお金を大きく増やせる可能性があるiDeCoやつみたてNISAを活用すると良いでしょう。
例えば、つみたてNISAは、年間の投資上限金額は40万円ですが、毎月3万円を20年間、利回り5%の投資信託で運用することができれば、約1,233万円になります。投資元本は720万円ですから、500万円程度増える上に、つみたてNISAは、20年間の運用益は非課税になるので、利益を丸ごと受け取ることができます。
年収600万円の家庭では、無駄遣いを省き、メリハリをつけたお金の使い方をすれば、投資する金額を捻出することは十分に可能です。年収が高いと油断せず、家計全体のバランスを見ながら上手にお金を貯めていきましょう。