はじめに

アリババも参入、「網紅」が活躍するライブコマース

また、最近は動画投稿アプリと親和性が高い新たな成長分野として「ライブコマース」が注目されています。ライブコマースとは、ネット上で商品の実演販売を行うことを指しており、一般的なEコマースに比べて臨場感があり、商品をよりアピールしやすいため、近年中国で急速に成長しています。

このライブコマースの発信者として重要な役割を担っているのが、「網紅」(読み方はワンホン)と呼ばれるネット上の人気者(インフルエンサー)たちです。

「網紅」は全国のネットユーザーに絶大な影響力を持っており、ライブコマースを通じて商品を販売し、そこから販売報酬を得ることができます。一方、プラットフォーム側は商品の販売代金もしくは販売報酬の一部を手数料として得る仕組みになっています。

ライブコマースの主な参入企業としては、アリババ・グループ(香港:9988)やクアイショウ(香港:1024)、ティックトック(未上場)、JDドットコム(香港:9988)、ピンドゥオドゥオ(米国:PDD)などが挙げられます。

その中でクアイショウの昨年1~9月のライブコマース関連収入は前年同期の約26倍に急成長するなど、今後動画投稿やEコマース関連企業の新たな成長エンジンになる可能性があります。

動画投稿アプリは「地方創生」を促進する効果も?

今まで中国では、戸籍や教育水準、地理的な制約などによって、地方都市や農村部の人々は経済成長の恩恵をあまり受けられませんでした。それがIT技術の進化により、多くの人々に夢や希望を叶えるチャンスがもたらされました。

クアイショウやティックトックの動画投稿アプリに代表されるように、才能がある人ならばネット上でたちまち人気者になり、収入を増やすことができるほか、ライブコマースは地方の特産物の販路拡大や地域振興にもつながります。

近年、中国政府は内需拡大や地域間の格差解消に力を入れていることもあって、動画投稿アプリは意外にも「地方創生」を促進する効果があるかもしれません。

<文:市場情報部 アジア情報課長 王曦>

<写真:アフロ>

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