はじめに
風評被害を受けた福島の桃、お礼品として脚光
福島県須賀川市にある「阿部農縁」は大正10年から約100年続く桃農園です。「農家民宿 阿部農縁」も家族で経営しています。
丹精込めて美味しい桃づくりを行ってきましたが、東日本大震災後は原発事故の影響で「福島の桃」というだけで敬遠され、収穫した3分の1を廃棄しなくてはならない状況でした。ここ数年はふるさと納税を通じて全国の寄付者から申し込みがあり、適正な評価を受けられるようになってきたと手ごたえを感じているそうです。
震災時は自宅も含めて市内のたくさんの建物が半壊、倒壊し、一時は更地や駐車場が目立ったそうです。しかし、ここ数年で新しい建物が続々と建設され、人の流れや景色が変わってきていると阿部農縁の代表寺山さんはいいます。
10年目の震災忌、新たな交流拠点をオープン
阿部農縁は3月11日、農業を通じて元気をチャージできる交流拠点「SHINSEKIハウス」をオープンします。“農業は人を癒やし、元気にする”という寺山さんの実体験から発案され、他地域から遊びに来た人と地域の高齢者が、交流しながら農作業や料理に取り組む機会を作ります。両者に“親戚”のようなつながりを生み出せる場所を提供することを目的としているそうです。
「SHINSEKI」という言葉には、震災から10年の節目として“新世紀”という意味もこめられています。テレワークする人も利用できるようWi-Fi環境も整え、コロナ疲れを感じる人が元気になれるような場所を目指しています。
農家暮らしを体験できるお礼品
福島県須賀川市「心も体もリフレッシュ、阿部農縁で過ごそう(大人2名様)」寄付金額70,000円
「阿部農縁」を切り盛りする元介護福祉士の正子ばあちゃんと、農家仕事や畑からの収穫、漬物や料理など、大人2名様分1泊夕・朝食付き貸し切りで農家暮らしを体験できます。近隣の温泉も利用でき、昔懐かしい暮らしが日ごろの疲れをリセットしてくれます。