生活

新卒手取り15万「3年で100万円貯める」家計改善プラン

FPの家計相談シリーズ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は野瀬大樹氏がお答えします。

今年、社会人になりました。はじめてのひとり暮らしを開始し、お金の管理も自分でするようになりました。今までは実家暮らしだったので、収入のすべてをお小遣いのような感覚で使っていました。そのため、自分が生きていくためにお金を使っていくという感覚に慣れず、戸惑っています。


また、今後の結婚などライフイベントへの備えとして、貯蓄もしていきたいと思っています。そのための心構えとして、手取りの何割をどのようなかたちで割り充てていけばうまくいくというような基準はありますか? もし参考になるデータなどがあれば、教えていただければ今後の参考としていきたいと思います。これからは自分自身で苦労しながらお金を稼いでいくことになるので、後悔はしたくないと思っています。どうかアドバイスをお願いします!


【現在の収入と支出(基本的な生活費)】
収入は手取りで15万円程度です。支出金額は現段階では安定しておらず、具体的な提示が難しい状況です。家賃は補助もあり、月に3万円ほどです。
【今後の収入の変化と予測される特別な支出】
公務員なので収入は安定する予定です。特別な支出の予定はありませんが、備えはしておきたいと思っています。
【退職後の収入・支出見込み】
正直、想像もできません。
【保有する金融資産、負債、保険契約】
特にありません。
(20代前半 独身 女性)


野瀬: すばらしいですね!

新入社員の段階で、お金のことについてキチンと考えようという姿勢はすばらしいです。20代の頃の私に言い聞かせてやりたいぐらいです。

さて、そんな質問者の方の「支出の割り振り」について考えてみましょう。

世の中の平均は?

「参考になるデータなどがあれば」とありましたので、ここでは最も信頼できる総務省のデータを見ることにしましょう。以下のリンクを確認してみてください。

家計調査(家計収支編)調査結果

こちらは総務省統計局の家計データです。このなかの「単身世帯」をクリックすれば日本の単身世帯のお金の使い道の平均がわかると思います。もちろん、単身世帯のなかにはすでに引退された高齢者の方も含まれていますので、ここはエクセル内の「勤労者世帯」を見てみましょう。

こちら、2016年の消費支出の平均は17万1,455円となっており、比較的、質問者の方と近いかたちになっています。参考までに支出の比率を確認してみましょう。もちろん、これは貯蓄が含まれていませんので、あくまで「支出」に占める比率で考えます。

支出に占める主な各細目の割合は以下のおおよそ以下のようになります。

住宅:16% 食費:26% 衣服:4% 水道光熱費:5% 医療費:3% 交通通信費:15% 教養娯楽:12% 交際費:7% 家具家事用品:3% その他:16%

こちらの調査の「住宅費」が少ないのは、実家住まいの人などが数値を引き下げているからです。

家賃のちょうどいい割合は?

まず「住宅費」ですが、単純に16%と考えると手取り15万円の場合、2万程度になってしまうのですが、ご質問者の方が一人暮らしであることを考えると、3万円というのは十分にがんばっている数値だと思いますので、こちらはこのままでよいかと思います。

よく不動産屋さんが「家賃はお給料の3割を目安に」といいますが、これは高い家賃のところに住んでもらって、仲介料を高く取りたい不動産屋さんの意見ですので鵜呑みにする必要はありません。

個人的には手取り給料の20%から25%が適正だと思っていますので、質問者の方の3万円という家賃負担はちょうどいい水準といえます。

また食費ですが、「15万円×26%」だと3万9,000円になってしまいますので、こちらは少々多いような気がします。私は一人暮らしの食費の目安は「月3万円」だと思っています。この3万円のラインを目安にするとよいでしょう。

確かに26%を乗じた3万9,000万円が世の中の平均なのかもしれませんが、なにも世の中の平均まで上げる必要はありません。それよりも圧縮した金額であれば、毎月圧縮した分だけ世の中よりも貯金できるということになります。

常に、世の中の平均に自身を合わせる必要はないという点を、統計を見る際には意識するようにしてください。

通信費は工夫して節約を

しかし、衣食住の残りの衣料費ですが、単純に15万円の4%だと6,000円になってしまいますが、女性であればその倍までは積み増してもよいかと思います。

水道光熱費・医療費についてはこれくらいかなと思います。もちろん医療費はお医者さんにかかった時に発生するものなので、必要なかった場合は、もしもの際の貯金に回すとよいでしょう。

ただ1点、歯医者に検診に行かず虫歯になるまで放置してしまうと、高いお金がかかってしまうので、歯だけは3ヶ月に一度程度は検診を受けるようにしましょう。

交通通信費に関しては、15万円×15%では2万2,500円となり、手取り給与の比率から考えると高い気がします。ただスマートフォンを持って自宅もネットを引くとそれだけで1万円を超えるので、このあたりはひと工夫したいところです。

最近は格安スマホなどもたくさん出ていますので、そのあたりで節約するのもよいでしょう。

また教養娯楽費は上記の比率を使うと1万8,000万円となりますが、社会人1年目としては少し多いと思いますので、1万円を目安に予算取りするとよいでしょう。

3年で100万円貯めるには?

これらをまとめますと、

住宅:3万(今後も手取りの20%以内を目指す)
食費:3万(月3万円を目安に)
衣服:1万2,000円(今後も手取りの10%以内を目指す)
水道光熱費:月1万円 1年間で平均するとこの程度
通信費:1.5万円
娯楽:1万円

で合計10万7,000円になります。

これに日用品そのほかで1万円、および交際費を含んだ特別な予備費を1万3,000円として予算を組むと、13万円が支出の目安となります。

手取り15万円からこの13万円を差し引くと2万円が残りますので、これが当面の毎月の積立預金の金額になるでしょう。

ただ、可能であれば先述のように通信費や予備費の節約を図り、月3万円を貯金に回したいところです(あくまで目標です)。

月3万円であれば、3年で100万円以上の貯金ができますので、そのあたりからようやく投資を始めることがみえてきます。

このように、今後、貯金が増えても、手取り給与の2割を貯金に回すことを目標として意識されるとよいかと思います。そして、まずは3年から5年かけ、100万円から200万円あたりまで貯金を積み上げ、そこから2割のうち半分の1割を積立投資に回すようなイメージで投資を始めればよいかと思います。

今後、ボーナスなどもあるかとは思いますが、ボーナスは全額貯金するぐらいの心構えでよいでしょう。大事なのは、手取り給与が増えたからといって支出もどんどん増やさないこと。その意味では、支出を給与からの「比率」で考えることは、まず避けるべき考え方なのかもしれませんね。

支出は「絶対額」で、貯金は「比率」で考えることがキーになりそうです。ご参考になりましたら幸いです。

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