はじめに
しっかり貯蓄されていて立派です
相談者様の収入・支出、貯蓄のデータを拝見しました。20代にもかかわらず、しっかりと貯蓄されていて、大変立派だと思います。恐らく今の状態の生活で問題はないと思いますので、退寮までは、この調子で貯めて欲しいと思います。
退寮後の生活費を試算しよう
資産形成と一見すると関係ないように思えますが、今後のお金の流れを知っておくことは大切です。
1年後に退寮する予定されているのですね。相談者様も理解されていると思いますが、今までの支出と今後の支出は大きく変わっていきます。すでに準備されているかもしれませんが、毎月の賃貸料はいくらにするのか、水道光熱費はいくらになるのかを試算しておき、いくら貯金できるのかを予算立てしてみましょう。
概算になりますが、家を借りるのに地域差はあるものの、敷金や礼金、引っ越し費用、家電の購入費などで50万円くらいは支出があると考えておいてください。総務省の家計調査2019によれば、一人暮らしの1カ月の生活費(34歳以下の世帯)は、平均で17万2,324円です。そのうち、水道光熱費は7,265円となっています。
もちろん、これは平均値ですので、個人の事情や地域によって変わります。電気代などは会社によってさまざまなプランがありますので、どれが良いのかじっくり選んでみてください。ガス代は、プロパンガスと都市ガスの差は大きく、支出を抑えたいなら、都市ガスの物件を借りると良いでしょう。
実際に、一人暮らしをしたらいくらかかるかを想定し、その費用を差し引いて、いくら手元に残るのかを実感して欲しいと思います。そうすることで、1年後にどのように貯蓄すべきかが見えてきます。
投資と貯金のバランスはどう考える?
王道と言われているのが、若い時にはリスクを取って、年齢を重ねるほどリスクを減らすという方法です。
現在の貯金額は620万円、投資額は株と投資信託で550万円となっています。また、毎月の積み立て額は貯金7万円、投資に回っているのはつみたてNISA3万3,000円とWealth Navi2万円の5万3,000円ですが、こちらの比率で、特に問題はありません。
ただ、一人暮らしになった場合、どの部分を減額するのかが重要です。すでに貯金はあるのですが、2年後には結婚を考えていらっしゃるとのことですので、マイホームについても検討されているのなら、貯金の比率を増やした方が良いでしょう。
投資と貯金のバランスの目安は、近々の1~2年以内に使うお金がある、絶対に減らしてはならないものの運用には元本保証のものが向いていますので、貯金で増やした方が良いでしょう。
手放すタイミングはいつ?
相談者様は、コロナショック時に個別株を数種購入し、それぞれ含み益が30%ほど出ているとのことで、手放すタイミングが知りたいとのことでした。
リターン目的で保有しており、30%の含み益が出ているのなら、すぐにでも手放しても良いでしょう。ただ、マーケットは動いています。最近ではコロナ関連で、平均株価が大きく乱高下することも少なくありません。マーケットの動向を見ることは大切ですが、確保したい利益がいくらかを考え、その金額になっているタイミングで手放しても良いでしょう。
しっかりと複数の運用を使い分けながら貯蓄をされている相談者様。投資に関する知識も備わっていると思いますので、自分はどのようなスタイルで投資したいのかを考えて、商品選択や運用方法を考えていってください。
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