はじめに

両国ともにストレスを感じる人が増えた

しかしながら、どのような制限のかけ方であっても、普段と異なる状況が急に訪れれば、やはりストレスは感じます。

フランスで公衆衛生を管轄するサンテ・ピュブリックが今年2月に発表した報告書によると、感染拡大の状況とそれを制御するための措置は、人々の精神の健康に大きく影響を及ぼしていると述べています。実際うつ状態の人はロックダウンが解かれていた9月では11%でしたが、2度目のロックダウンが実施されていた11月には23%と2倍になりました。

日本でも、徳島大学の山本哲也准教授らのグループが発表した緊急事態宣言下の心理的ストレスについての調査では、11.5%が重度、36.6%が軽度から中等度の心理的ストレスを感じているという結果になりました。そして治療を要するうつ状態にあると推定された人は17・9%でした。

同じ感染拡大を防ぐ取り組みでも、国によって心にかかる負荷の方向性は違います。隣の芝生は青く見えても、中に入ってみると違う悩みがあると気づかされます。

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