はじめに
途中で止めた積立投資を再開できないワケ
つみたてNISAは、毎月一定金額で同一の投資信託を買い付けていくため、このドルコスト平均効果が得られます。
ただし、ドルコスト平均効果をしっかり享受するためには、ひとつだけ注意しなければならない点があります。それは「続ける」ということです。
つみたてNISAのドルコスト平均効果を存分に生かすためには、もし20年間の積立が可能だとしたら、その期間をフル活用してとにかく積立投資を継続することが肝心です。逆に最悪なのが、マーケットの状況が悪いからといって積立を中断したり、それまで積み立ててきたものを全額解約したりすることです。
つみたてNISAは一旦使った非課税枠は再利用できません。たとえばこれまでつみたてNISAを2年間続けてきたものの、直近の株価急落で怖くなったため、一度全額解約したうえで現金を手元に置き、再びマーケットが回復したら再開しようと考えたとします。この場合、過去2年間にわたって続けてきた非課税枠は再利用できないので、再開してから積み立てられる期間は20年ではなく、18年になってしまいます。
また、一度解約してしまうと、心理的になかなか再開しにくくなります。たとえば止める前につみたてNISAを活用していた時の日経平均株価が1万5,000円近辺だとして、現在が3万円だとしたら、マーケットが再び堅調になった時、何も躊躇せずに積立を再開できるでしょうか。
これが、恐らく無理なのです。1万5000円の時に買ったものの価格が3万円に値上がりし、さらに値上がりする可能性があるとしても、心理的な抵抗があって、なかなか3万円では買えないものなのです。