はじめに
「ワクチン」に対する期待は大きい
現状判断で「ワクチン」に言及した人は、2021年1月8人と1ケタでしたが、2月25人、3月19人と2ケタになっています。3月の「ワクチン」関連現状判断DIは61.8です。
先行き判断で「ワクチン」に言及した人は1月226人、2月379人、3月230人と3ケタで推移しています。「ワクチン」関連先行き判断DIは20年12月43.4から上昇し1月では50.1と僅かですが、分岐点の50超になった後、2月調査で61.2まで上昇しましたが、3月では57.0とやや低下しました。
ワクチン接種の進捗状況が他の先進国に比べ遅れていることへの懸念はあるものの、依然「ワクチン」に対する期待が大きいことがわかる数字です。
刑法犯認知件数は「明」自殺者数増加は「暗」
コロナ禍で身近なデータも、明暗が分かれています。まず、「暗」の方のデータを見ましょう。
インバウンドが大きく落ち込み、2020年訪日外客数は412万人と、コロナ前の目標4,000万人の約1割にとどまりました。自殺者数は、相関性が高い完完全失業率とともに20年に11年ぶりの悪化となりました。
2021年1~2月の自殺者数・前年同月比は+6.3%の増加です。相関性が高い完全失業率は、1月・2月とも20年平均の2.8%より若干高い2.9%で推移しています。もっとも小数点第2位までみると両月とも2.94%ですが…。
「明」のデータもあります。2020年の刑法犯認知件数は前年比▲17.9%減少の61.4万件で、6年連続戦後最少を更新しました。特に、ひったくりや自転車盗などの街頭犯罪が大きく減少しました。
コロナ禍で外出する人が減った面もあるようですが、経済的に困った人が衝動的に犯罪に走ることが少なくなり世の中が落ち着いているとも考えられます。刑法犯の認知件数は21年に入っても減少で2021年1~2月累計前年比は▲19.9%です。
警視庁によると、コロナ禍で遺失届現金の前年比は▲27.6%、拾得届現金は同▲14.8%とともに減少しました。遺失届現金に対する拾得届現金の比は2012年の35.4をボトムに8年連続上昇、2020年は54.2%と2019年46.0%をさらに上回りました。
現金を紛失しても半分以上戻ってくるという社会の安定を示唆していると思われます。