はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ
今回の相談者は、61歳独身の会社員の方。現在再雇用で勤務中の相談者。悔いのない人生のために、来年退職を予定しているといいますが、老後資金は大丈夫でしょうか? また、いずれお母様の介護が必要になった場合はできる限り在宅で行いたいとのことです。FPの飯田道子氏がお答えします。

老後を迎える独身者です。令和2年3月に60歳で定年退職し、同じ職場に再雇用され2年目を迎えます。仕事中心の生活のなかでやり残してきたことがあり、後悔のない人生にしたいという気持ちが日に日に強くなり、来年3月で退職を考えています。気持ちは強いのですが、年金受給開始まで3年残っており、私の預貯金で老後が大丈夫か不安です。

現在の収入からも貯蓄は続けており、月収入の余りは貯金と株購入に当て、ボーナスは現在はほぼ全額貯金しています。コロナ禍がなければ年20万ほどは旅行などで使うはずでした。現在預貯金で約1,600万、投資の内訳としては約500万を投資信託で運用し、その半分はNISA枠を当てています。残り100万円で株式投資をしています。

同居はしていませんが80代の母親が同市内におり、今のところ元気です。退職後は、年金受給開始までの間月6万円から8万円程度稼ぐことは不可能ではないです。いずれ母に介護が必要になった場合は、できる限り介護保険を活用して在宅で対応したいと考えています。介護費用等は母の遺族年金等で賄い、きょうだいが一人いるため、介護の分担はある程度可能です。私自身の年金は、64歳で特別支給の老齢年金が月額約7万5,000円支給され、65歳以降は月額約14万円になる見込みです。よろしくご教示をお願いします。

【相談者プロフィール】
・61歳、会社員、独身、一人暮らし
・住居の形態:持ち家(マンション・集合住宅/宮城県)
・毎月の世帯の手取り金額:18万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:50万円
・毎月の世帯の支出の目安:12万円

【毎月の支出の内訳】
・住居費:2万3,000円
・食費:3万円
・水道光熱費:1万円
・教育費:1万円
・保険料:1万円
・通信費:1万円
・お小遣い:1万円
・その他:1万7,000円

【資産状況】
・毎月の貯蓄額:6万円
・ボーナスからの年間貯蓄額:50万円
・現在の貯金総額:1,600万円
・現在の投資総額:600万円
・現在の負債総額:0円

飯田:今回は、老後を迎えるシングルの方からの相談です。現在、再雇用中で来年3月に退職を考えている相談者様。後悔のない人生を送りたいものの、老後資金が大丈夫か不安を抱いているようです。また、いずれお母様の介護が必要になったときは同居をし、在宅で対応したいと考えているようです。相談者様の老後資金は大丈夫なのか? どのような点に注意していけば良いのかを考えていきます。

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