はじめに

現金と投資の割合をどうやって決める?

理想的な現金と投資の割合ですが、基本的な考え方は生活防衛費(生活費の6〜12カ月分など)と、当面のライフイベントの費用(入学費や、住宅購入の頭金など)を現金で持ち、それ以上の現金は、運用しないでいるとインフレ負けするので投資に回したほうが良いというものです。この考え方は、理屈では正しいのですが、実際に株価が大きく下落した場合に現金保有率が高い状態とくらべて、精神的なダメージが大きくなることがあります。ご自身の資産がいつまでにいくら必要かを考えて、必要以上のリスクは追わないことも必要です。この、リスクの許容度は、人によって異なります。年齢、収入、資産、家族構成、によっても大きくリスク許容度は異なりますので、ご自身の状況を考えて無理に投資にまわして現金比率を下げる必要はないかもしれません。

価格変動リスクをコントロールするためには、「ドルコスト平均法」を採用するとよいでしょう。毎月一定金額を定期的に購入することで「良いときも、悪いときも買うことができる」ので、取得価格が安定するというものです。一括投資ではなく、時間分散をしながら、毎月一定額を積み立てていくことで価格の振れ幅の体感は小さくなり、安定感や安心感は増していくと思います。

そして、リスクコントロールの一番の方法は、値動きの異なるアセットクラスへの分散投資です。基本は、株式系のインデックス投資信託と、現金の割合でリスクコントロールすることですが、現金で寝かせていることにインフレリスクを感じるようであれば、米国債券や金などの株とは別の値動きをする資産をもつことも良いでしょう。

投資を続けるための4つのポイント

以上をまとめると、現在の株価が高くても、4つのポイントをおさえることで投資を続けていただければと思います。

1)10年20年先を見据えて、拡大が信じられるものへ投資しましょう
2)プロスペクト理論という損失回避の行動をとりがちなので、自分の精神状況を把握して不合理な資産売却をしないように気をつけよう
3)大きな株式上昇がいつ起こるかは不明なので、金融市場にいつづけることが大切
4)毎月一定額を一定のタイミングで資産購入することが重要

以上を意識しながら、ご自身のリスク許容度を意識して、生活防衛費や使う予定のある現金を除いた金額は、徐々に運用商品に変えていっても良いと思います。以上、参考になれば幸いです。

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