はじめに

建売住宅か注文住宅か?

では、新築で検討する場合の「建売住宅」と「注文住宅」について比較してみましょう。

「建売住宅」は、土地と建物がセットで販売されている分譲住宅です。住宅の建築中に販売がスタートするケースと、住宅完成後に販売開始されるケースとありますが、基本的には住まいの設計は決まっています。一部、間取りなどある程度自由度がある物件もありますが、基本的な仕様が決まっているものがほとんどです。

ある程度パッケージ化されているため、建材をまとめて大量に購入できたり、工事も効率的に進めることができる為、注文住宅よりも割安になることが特徴です。

一方「注文住宅」は、より自由に間取りやデザイン、使用する資材などを選択することができるので、ご自身のライフスタイルに合った住まいを実現することが可能です。ご相談者が気になっているパッシブハウスも実現可能です。

パッシブハウスとは、ドイツ発祥で、世界基準で建てられた、住み心地の良さを追求した省エネルギー住宅です。住宅性能基準は、日本の一般的な新築住宅よりも2~3倍ほど高い断熱性能が求められます。空気の逃げ道をなくし、断熱効果を高めることで熱を逃がさないような工夫がされており、冷暖房の使用頻度を抑え、光熱費を抑えながら、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる省エネ住宅です。

一般的な住宅に比べて初期のコストが掛かりますが、光熱費などのランニングコストを抑えることが可能なのと、何より気温変化による身体への負担が少なく、将来高齢になっても長く住むことを考えると、健康に配慮した住宅であることは医療費負担も抑える効果が期待できます。
長期的にエネルギー効率の良い家に住むことを考えると、購入後にリフォームで省エネ対策をするのは、コスト面でも効果面でも非効率です。

なお、「注文住宅」の場合、土地から購入することになります。住宅ローンは家の引き渡し時に融資実行されますので、土地の購入代金や、建物を建てる際の着工金や中間金などは、「つなぎ融資」で住宅ローン実行まで一時的につなぐのが一般的になります。この「つなぎ融資」に対応する金融機関も限られているため、ネット銀行系が難しくなるなど、選択肢の幅が狭まります。

価値観にマッチした住宅選びを

このように、それぞれにメリットデメリットがあります。

ご相談者が、コスト面を最重要視するのであれば、「中古リフォーム」、希望する住宅性能の建売が希望エリアで見つかれば「建売住宅」、住宅性能にとことんこだわり、長く安心して暮らせる住まいの実現や、長期的にコストパフォーマンスが良くなる可能性を考えると「注文住宅」が最適となります。

いま一度、ご自宅を購入する上で重要視したいポイントを整理し、ご夫婦の価値観にマッチした住宅選びをしていただければと思います。

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