はじめに

5月16日に近畿地方、東海地方が梅雨入りの発表がありました。近畿地方は統計史上最も早い梅雨入り、東海も史上2番目に早い梅雨入りです。梅雨入りの順番は、西日本から東に向かっていくので、次は関東甲信地方の番です。

ところで“梅雨と株式市場に深い関係がある”というと意外と思われるかもしれません。しかし以前、この連載で「梅雨の雨量と株価の間に存在した“かなり繊細な関係”」を取り上げました。詳しくはその記事を読んでもらいたいのですが、“梅雨の時期でも、降水量が少ないと株価が高い”ことを紹介しています。

実は、雨の日に株価が下がりやすいという関係は行動経済学という学問で裏付けられています。行動経済学を平たく言うと、人間の行動はその時の気分に左右されるため、株式を買ったりする投資も気分の影響を受けてしまうということです。

雨の日には投資家が憂鬱な気分になりがちで、株式市場で悲観的な見方が強まります。ですから梅雨の時期に雨量が多ければ株安につながりやすいということです。

では今回はもう1つの梅雨と株価の関係を取り上げてみます。梅雨入りの早さは株価とどのような関係があるのか、というお話です。まずは、分析結果から見てみましょう。


梅雨入りが早い年の6月相場は?

気象庁のウエブサイトでは、1951年から毎年の関東甲信の梅雨入りした日が分かります。“平年並み” の梅雨入りは6月8日とされていますので、平年(6月8日)までに梅雨入りできなかった“遅い年”と、早く梅雨入りした年で分類してみます。

今年、まもなく関東甲信も梅雨入りするならば、5月中ということになります。5月中に関東地方が梅雨入りした年は過去5回しかありません。この過去5回の年で、梅雨真っただ中となる6月の株式市場の平均騰落率を見てみました。

結果は、-0.31%とマイナスです。梅雨入りが早く月初めから雨模様の天気になりがちで、それが6月の月間株安につながったと考えられます。

梅雨入りが5月中の“超早い”でなくても、平年より“早い”では0.12%と株価の上昇はほぼゼロに近い水準でした。“遅い”の2.09%を大きく下回ります。

梅雨入りと株価の関係は行動経済学だけでなく、実態経済の動きも背後にあります。雨の日は確かに雨具などの需要も高まりますが、外出が控えられるために外食や買い物などの消費が減る影響が大きいでしょう。梅雨入りが早く6月に雨の日が多くなれば、こうした実態経済へのネガティブな影響が背景にあるのでしょう。