はじめに

雇用形態別にみた賃金

正社員にも非正規社員にもそれぞれメリットとデメリットがあります。非正規社員を選ぶ理由として、「自分の都合のよい時間に働きたいから」という理由が男女ともに1位ですが、男性では「正規の職員・従業員の仕事がないから」という理由が2位になっています。

厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」 によれば、雇用形態によって賃金の大きな格差が生じています。男女計では、正社員・正職員は324万2,000円、正社員・正職員以外では214万8,000円となっています。これを男女別にみると、男性では、正社員・正職員は350万7,000円に対し、正社員・正職員以外は240万2,000円です。

また女性では、正社員・正職員は269万2,000円であるのに対し、正社員・正職員以外は193万3,000円になっています。男女計の平均だけを見ても、その差は109万4,000円になります。

さらに男性の年齢階級別賃金は、正社員・正職員では50代後半で435万3,000円に対して、正社員・正職員以外では60代前半に266万7,000円にピークを迎え、その差は168万6,000円。生涯にわたって200万円台を超えることはありません。

女性の年齢階級別賃金のピークは、正社員・正職員では50代後半に303万6,000円、正社員・正職員以外では30代後半に200万6,000円です。全年齢を見ても180万円~200万円前後の賃金です。

雇用形態間の賃金格差は、正社員・正職員を100とすれば、男女計で64.9になっています。もし正社員・正職員と同じ待遇にしようと思えば、非正規社員などでは1.5倍近く稼ぐ必要があることになります。



働き方改革には、非正規社員の待遇を改善する内容も盛り込まれています。これからは正規・非正規の不合理な処遇差は改善されていくでしょう。働き方は自分が何を重視するかで選べる時代に変化しています。イメージだけにとらわれず、まずは働き方の形態を知り、どう働くのか将来をデザインしてみましょう。

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