はじめに
価格の暴落に耐えるためのポイント
投資資産の握力をもたせるためにも、投資資産の理解が重要であることは先に述べました。これとは別に、価格の暴落に耐えるためのポイントについていくつか紹介します。
まず、自分のリスク許容度に応じた金額を投資することです。リスク許容度とは、自分がどれだけのマイナスなら受け入れられるかの度合いを指します。これは一人一人の総資産額や年収、年齢や家族構成、投資にさける時間などによって異なります。
具体的には「毎日の値動きが気にならない程度」と筆者は定義しています。わかりやすい例ですが、ビットコインが暴落して寝ている間にもチャートが気になってしまうなら、それはリスク許容度を少しオーバーしているのかもしれません。
次に、長期投資と短期投資で分けて投資することです。ビットコインを中長期目線で投資している人であっても、短期的に大きなリターンが期待できるアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)に投資したいという人もいるでしょう。これは最近の株式市場においてゲームストップ株のようなミーム銘柄(値動きの激しい銘柄)が人気を集めていることと同じです。
価格変動によらず一定期間もち続ける分と、価格変動に応じて売買する分を投資資産や投資額によって区別することで、暴落時の心理的な負担を軽減することができます。
最後に、これは暗号資産投資家に少し偏ったものですが、法定通貨ではなくビットコインで資産価値を測ることです。ビットコインは供給量が2140年頃までに2,100万枚と決められています。そのため、暗号資産市場の発展とともにその需要が高まることを想定して、ビットコインを5年、10年あるいはそれ以上の期間で保有しようという人もいます。このような人たちは、短期的な暴落を買い増しの機会とすら考え、ビットコインの枚数を増やすためにアルトコインを売買することもあります。
<文:暗号資産アナリスト 松嶋真倫>