はじめに
新型コロナウイルス流行の影響は?
グラブとゴジェックの2社は、もともとライドシェア事業を主力事業としていたため、近年の新型コロナウイルスの流行によってかなり痛手を受けていますが、逆にコロナ禍をきっかけに伸びている事業も展開しています。
両社ともに事業を拡大しているのが、オンライン食品宅配、買い物代行、など、対人接触の少ない事業分野です。コロナ禍では主力事業の不振を補う存在に育ちつつあり、面白い試みとみています。
IPO計画が進むグラブ、ゴジェック、トコペディアに先行してすでに米国市場への上場を実現しているのが、シンガポールの新興勢力であるSea(シー)グループです。中国最大のIT企業であるテンセントも出資しているアジアの有力IT企業のひとつです。すでに一足早く上場企業になっていますが、このIPOあたりから東南アジアと中国の有力企業の間でネット覇権争いの動きが強まっているといえます。
今回のIPO計画をきっかけに、アジアのデジタル産業に対する注目度は一段と高まりそうです。
<文:市場情報部 明松真一郎>