はじめに

4~6月期GDP は必ずしもマイナス成長になるとは限らない

3度目の緊急事態宣言が発出されたことを受けて、GDPの過半数を占める個人消費が落ち込み4~6月期はマイナス成長が継続するという見方も多いようです。しかし、家計調査など需要サイドの4月のデータは底堅く、4~6月期GDP はもたつくものの必ずしもマイナス成長になるとは限らないことを示唆する結果となりました。

家計調査と同時に発表された総務省の総消費動向指数は、個人消費の97%に当たる家計最終消費支出の推移を様々な月次データによる時系列回帰モデルによって求めたものです。実質総消費動向指数4月の前月比は▲0.1%の微減にとどまりました。4月の対1~3月平均比は+1.3%の増加です。5月の落ち込みを考慮しても4~6月期は大幅なマイナスにはなりにくいと思われます。

また、財とサービスに関する各種の販売・供給統計から算出している日銀の実質消費活動指数(旅行収支調整済)は4月の対1~3月平均比は+0.4%とプラスの伸び率になっています。

ESPフォーキャスト調査6月調査によると、8月16日に公表される4~6月期実質GDP成長率見通しは37人の平均で前期比年率+0.17%、高位8人の平均は+1.85%、低位8人の平均は▲2.15%となりました。実質個人消費の平均は前期比▲0.34%のマイナスにとどまっています。エコノミストにより見方に幅があるものの、GDPは若干のプラス成長というのがコンセンサスです。

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