はじめに

シナリオ通りにいかないリスクは?

今回のシミュレーションでは、6,000万円のご自宅を購入しても返済していくのは問題ないという結果になりました(むしろもう少し予算を引き上げても大丈夫かと思います)が、このシナリオ通りにいかなりリスクについて考えておきたいと思います。

まずリスクとして起きた場合に影響が大きいのは、現在の共働きという想定が崩れてしまうことです。何らかの原因により、ご夫婦のどちらかがお仕事を継続されなくなった場合、または継続するとしても現在想定されている収入上昇シナリオが実現しなかった場合や収入が減少してしまった場合、家計の収支状況が悪化してしまいます。

また、ご相談者様の職業詳細がわかりませんので何とも言えませんが、例えばご相談者様が転勤になり単身赴任をされる場合、生活費が上昇してしまうといった可能性もあるかと思います。

ただし、このようなリスクは考えられるものの、車はカーシェアを活用される予定など非常に堅実な家計管理をされているようですので、家計が危機的な状況に陥るといった可能性は低いのではないかという印象です。

もしこのようなリスクが気になるということでしたら、働けなくなった時への備え、保険などを少し検討しておくというのも選択肢かと思います。

住宅ローンについては変動金利で借りることも選択肢?

住宅ローンは固定金利での借り入れを検討されているということですが、当面の家計収支は黒字となる見込みですので、変動金利で借りて返済金額をおさえつつ、その余裕ができた分を手元資金として蓄えていくという選択肢もあるかと思います。

例えば今回は金利1.5%、借入期間35年ということで年間返済額が約221万円となっていますが、変動金利0.5%で借りることができると年間返済額は約187万円まで低下しますので、毎年34万円収支が改善します。

変動金利の住宅ローンは、一般的に金利が上昇しても5年間は返済金額が変わらず、5年を経過した時点でも返済額は直前の125%までしか上昇しないというルールがあります。つまり、5年間積み立てれば170万円、10年間積み立てれば340万円貯まりますので、定期的に繰り上げ返済していく、ということも方法も選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

今回のポイントをまとめると

以上、ポイントをまとめますと以下のようになります。
●今後の収支および資産残高の推移を確認する限り、6,000万円の予算で住宅ローンを組んだとしても、特に問題なく返済していけるという印象です。
●何らかの理由により共働きという前提が崩れてしまうなど、収入が下がってしまう場合には、返済が難しくなる可能性はあります。
●住宅ローンについては変動金利で借りつつ、固定金利で借りた場合の差額を積み立てていきながら、繰り上げ返済を積極的に実行していくというのも選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

ご参考としていただけましたら幸いです。

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