はじめに

この先のドル円相場、予想レンジは?

さて、昨年末から円安相場を予想してきた筆者ですが、今回の米6月雇用統計の反応もあまり重要視していません。当面の超過剰流動性下における平和ボケに近い楽観トレードは、8月までは続くものと思われます。

筆者は9月の米FOMCで米テーパリング「議論開始」と予想していましたが、筆者予想に反して6月の米FOMCで議論が始まりました。パウエルFRB議長は「今回は『議論することについて議論する』会合だった」と、日本の政治家みたいな遠回しな言い方をしていますが、出来るだけ市場にショックを与えないようにしているのでしょう。

当面は、米FRB当局者のハト派とタカ派と中立派をうまく交互にしゃべらせて、市場のポジションの傾きを静かに調整させ、2013年5月の「バーナンキ・ショック」のような相場の急変を回避する方策を取ってくるものと思われます。

年末のドル円は需給の円安で111~112円方向と筆者は予想していまが、7~8月期はポジション調整的な動きもあって、107.50~111.50をコアとしたレンジになるのではないでしょうか?

<文:チーフ為替ストラテジスト 今泉光雄>

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