はじめに

DXへの姿勢、日米でこんなに違う

DXレポート 2をみるかぎり、国内企業のDX対応はまだまだでした。これに対し、電子情報技術産業協会(JEITA)とIDC Japanの実施した調査レポート「2020年日米企業のDXに関する調査」をみると、米国企業はこの種の改革に積極的なようです。

日本企業は7割以上がDX未実施

どのようにDXに取り組んでいるか質問したところ、「全社戦略の一環として実践中」という回答は日本企業が11.6%、米国企業が9.3%で、いずれも全体の1割前後で同程度でした。しかし、「部門レベルで実践中」は日本企業が8.7%、米国企業が19.3%、「実証実験を実施中」は日本企業が7.8%、米国企業が26.0%となり、このレベルまでの取り組みを含めると大きく差が開きます。

JEITAによると、2017年に行った調査から日本企業のDX対応は著しく伸びました。それでも、7割以上が実施に至っていません。


出典:JEITA、IDC Japan / JEITA、日米企業の DX に関する調査結果を発表

内向きの日本、外向きの米国

IT予算については、日本企業の58.1%、米国企業の71.0%が「増える」傾向にあると答えました。デジタル化やDXへの対応が必要なことから、IT予算の増額は日本も米国も変わらないようです。

ただし、予算増額の理由は、日米で傾向が違っています。IT予算が増える理由を3つ挙げてもらったところ、日本企業は「『働き方改革』の実践のため」「ITによる業務効率化/コスト削減」「未IT化業務プロセスのIT化のため」が多く、オペレーション改善のような既存業務を見直そうとする方向でした。

一方、米国企業は「ITによる顧客行動/市場の分析強化」「市場や顧客の変化への迅速な対応」「ITを活用したビジネスモデル変革」が多く、新規事業や外販化などの事業拡大に目を向けています。

JEITAは、米国企業の多くが外部環境把握にIT予算を投じているのに対し、日本企業はいまだIT予算の大半を社内の業務改善に振り分けている、としました。


出典:JEITA、IDC Japan / JEITA、日米企業の DX に関する調査結果を発表

DX推進の目的でも、相違がみられます。もっとも多い回答は、日本企業だと「業務オペレーションの改善や変革」(41.0%)、米国企業だと「新規事業/自社の取り組みの外販化」(46.4%)といった具合で、IT予算増額と同様の項目が選ばれました。


出典:JEITA、IDC Japan / JEITA、日米企業の DX に関する調査結果を発表

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