はじめに

ISM横ばい局面でも株価は上昇

では、過去のこうした局面では株価はどのように推移したのでしょうか。ISM製造業指数の局面ごとに資産価格の動きを検証します。

ISM製造業指数が発表された日の前営業日から計測した各資産の騰落率は以下の通りです。

株価が最も上がるのはISM製造業指数が上昇する局面でした。S&P500指数は一回の上昇局面でおおむね30%前後の上昇を見せ、ひと月あたりで見ても平均して2.6%上昇しています。また、それにつられる形で日本株もおおむね同程度の上昇となっています。

ただ、ISM製造業指数が横ばいとなる局面でも、幅はやや小さくなるものの株価の上昇は続きました。S&P500指数は2010年に21%、2014年に15.5%、2018年に13.2%と、過去3回のISM製造業指数が横ばい局面でも緩やかな上昇を続けています。

日本株も米国株ほどではないものの、上昇傾向が続きました。こうしたことから、たとえISM製造業指数が上昇局面から横ばい局面となっても、すぐさまリスクオフとなるわけではなく、緩やかな株価の上昇が続く傾向にあります。

資産買入れ縮小局面でも株価は上昇

同様に、FRBの金融政策が資産買入れ縮小局面の場合の資産価格の動きを検証します。

各金融政策イベントの前営業日から計測した騰落率は以下の通りです。

株価が最も上がるのは量的緩和が行われている局面でした。S&P500指数は一回の量的緩和局面でおおむね30%前後の上昇を見せ、ひと月あたりで見ても平均して2.4%上昇しています。日本株の上昇率もほぼ同様です。

ただ、資産買入れ縮小局面でも、幅はやや小さくなるものの株価の上昇は続きました。前回テーパリングが行われた2013年から2014年にかけてもS&P500指数は23.5%と上昇が続きました。

日本株も米国株ほどではないものの、上昇傾向が続きました。こうしたことから、たとえ資産買入れ縮小局面となっても、すぐさまリスクオフとなるわけではなく、緩やかな株価の上昇が続く傾向にあります。

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