はじめに

ISM横ばい、金融引き締め局面でも株価は上昇

最後に景気と金融政策の方向性を組み合わせます。利下げ、量的緩和を金融緩和、利上げ、資産買入れ縮小を金融引き締めと定義し、これをISM製造業指数の各局面に加え騰落率を検証します。

ISM製造業指数が発表された日の前営業日から計測した各資産の騰落率は以下の通りです。

これを見ると、最も株価の上昇率が高いのはISM製造業指数が上昇し金融緩和が行われている局面です。一方、ISM製造業指数が低下しているのに金融引き締めが行われている局面では株価が大きく下落しています。その中間では緩やかなリスクオンが継続しています。

上昇率鈍化も株高継続、米国株などドル建て資産が有望か

以上を踏まえると、今後ISM製造業指数が横ばい局面となり、金融政策が資産買入れ縮小局面になったからと言って、すぐさまリスクオフの株安にはならないと見ることが出来そうです。

また、過去の同様の局面ではドル高、円安が進行しています。FRBの金融緩和縮小にともなって金融政策の方向性の違いからドル高、円安が進むという一般的なイメージと整合的な動きで、今回も米国株などのドル建て資産が引き続き有望な投資先となる可能性があります。

ただし、これまでのISM製造業指数上昇/金融緩和の局面と比べて株価の上昇率は半分程度と緩やかになる見込みで、これまでよりもリスク量は抑制することが推奨されます。

※内容は筆者個人の見解で所属組織の見解ではありません。

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