はじめに

パンク寸前のマーケット、取引所のあの手この手

2021年の株式市場は2018年4月につけた史上最高値を更新し、活況を呈しています。実は昨年から外国人投資家は売り越しているのですが、エフゼロインベスターがこれを上回る勢いで買い越しています。コロナ前は、1日の売買代金が2兆ドン程度(約100億円)の日もありましたが、直近は連日20兆ドン(約1,000億円)を大きく超えています。

昨年末以降、取引所の処理能力を超える注文が出され、注文が受け付けられない、VNインデックスが日中更新されないといった不具合も発生しました。6月1日には、ホーチミン取引所はシステムの安全性を確保するため後場の取引停止に踏み切りました。(※現在は通常通りの取引が行われています)。

今年1月より最低売買単位が10株から突然100株に引き上げられたのも、システムの負荷を抑えるのが目的と言われています。一見すると強引なやり方に見えますが、未熟なベトナム市場がより成熟したマーケットに発展する過程で起きた出来事であったと言えます。

2021年は改革の年か

2021年は証券市場の改革の年と言えそうです。投資家を取り巻く環境は大きく改善していくと見込まれます。例えば新証券法が施行され、空売りや受け渡し日前の売却ができるように準備が進んでいます。

また20年以上前から使われていたシステムが一新される計画で、国内の2大取引所が統合に向けて動き出すなど、国内投資家のみならず、海外マネーを意識した利便性と透明性の高い市場への改革が進んでいます。初心者向けのWebセミナーが開催されたり、より幅広い層を狙った投資アプリが登場したりと、証券投資がベトナムで市民権を得てきています。

新型コロナ第4波はなかなか収束しないですが、株価は史上最高値を更新し続けています。先日発表された第2四半期のGDP成長率は、前年同期比で+6.6%と強い数字でした。また肝心のベトナム企業の業績も2021年第1四半期は銀行、鉄鋼を中心に最高益を更新しました。

コロナの抑え込みやワクチンの普及が今後の企業活動に大きな影響を与えると思いますが、高い経済成長と証券市場の改革に後押しされ、今後も株式市場は活況を維持することが期待されます。

<文:アイザワ証券グループ ジャパン証券 北山亨>

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