はじめに
ワクチン接種加速の動きがDI改善に寄与か
6月の景気ウォッチャー調査を基にした「ワクチン」関連先行き判断DIは61.8と良くなるという意見が多く、分岐点の50を大きく上回っています。これまでの日本のワクチン接種加速の動きが評価されていることを示していると思われます。
NHKのHPに掲載されている日本の新型コロナウイルスのワクチン接種回数(100人あたり)は、2カ月前の5月13日のデータでは、3.95回にすぎず、米国の78.68回に比べかなり少ない状況でした。7月13日のデータでは、47.67回まで増えました。米国の99.91回に比べ、直近2カ月間でおよそ倍のペースでワクチン接種が加速したことがわかります。
民間エコノミストの予測を集計した7月のESPフォーキャスト調査では、景気の腰折れリスクとして「五輪の再延期・中止」を挙げる人がいなくなりました。また、「新型コロナウイルス感染状況」を挙げる人が29人と初めて30人を割り込みました。エコノミストの見方として、感染再拡大にならないようにしっかり対応し、無事オリンピックをやり遂げることができるとみるのが、コンセンサスであると言えそうです。
6月の「オリンピック」先行き判断指数DIは52.9と景気分岐点の50を超えてきました。回答数は2020年1月と今年5月の152人を大幅に上回る291人と過去最高を更新しました。全回答者1,820名の約6分の1がオリンピックに言及したことになります。オリンピックへの関心が高まってきたことが窺える数字でしょう。