はじめに
多様な働き方ができるようになり、副業をしている会社員の方も多いのではないでしょうか。小規模に始めた副業であっても、徐々に軌道にのって納税が必要な規模になってくると、ますますやりがいを感じてくるでしょう。副業のクオリティをさらに磨いていくことはもちろんですが、副業を継続していくためには経済的な対策も大切です。
今回は、節税のために控除の利用や、申請してもらえるお金の補助金・助成金についてお伝えします。幅広く情報を集めて、今後の副業に役立てていきましょう。
副業するなら、経費も忘れずに計算
本業・副業にかかわらず、収入があれば申告のうえ納税をすることが基本です。ただし、会社員のように本業での収入が給与所得で、年末調整をしている場合、副業の所得が20万円以下であれば確定申告は不要です。
この際、所得と収入の違いに注意が必要です。
たとえば、フリマアプリで自分で作った衣服や雑貨などを売ったり、自家用車をシェアリングエコノミーで貸したりして得た収入は副業の収入ですが、ここから経費を差し引いた残りが、所得になります。
つまり、収入が20万円以上あっても、経費を差し引いたら20万円以下であれば、所得は20万円以下、確定申告が不要になります。
経費に計上できるものには、副業の種類によって違いがあります。業務上必要な経費を確認し、所得を適切に計算しましょう。経費には、以下のようなものがあります。
経費 | 例 |
---|---|
旅費交通費 | 取引先へ移動するための交通費(電車・バス・タクシー・高速道路料金)・出張旅費や宿泊費など |
通信費 | 業務で使用する携帯電話・固定電話・切手・はがき代など |
接待交際費 | 取引先との打合せのための飲食代、取引先に対する慶弔見舞金・お土産代など |
損害保険料 | 業務で使用する車などの保険料(任意・自賠責保険) など |
消耗品費 | 事務用品(営業用カバン・名刺・封筒)の購入費用など |
会議・研修費 | 打合せ等で使用したレンタルスペース料、会議に伴い支出する費用、業務で使用する書籍・地図、資格試験料など |
車両・燃料費 | 業務で使用する車のガソリン代・駐車場代、自動車修理代、車検費用など |
事務所経費 | 事務所の家賃、水道光熱費など |
租税公課 | 業務で使用する車の自動車税、自動車取得税、自動車重量税、組合費など |
広告宣伝費 | チラシ代など |
仕入 | 販売用の商品の購入費用や原材料費 |
外注工賃 | 知人に仕事を依頼したときの依頼料など |
修繕費 | 業務で使用するパソコンの修理費用など |
減価償却費 | パソコンなどの減価償却費 |
雑費 | 上記に当てはまらない費用 |
※国税庁HPを参考に筆者が作成
携帯電話の通信費など、仕事だけではなくプライベートでも使用しているものについては、全額経費にはできません。使用時間などで、仕事で2割、プライベートで8割というように按分して、仕事で使った分を必要経費に計上します。
20万円のルールは、副業の収入がそれほど高額でなければ税額も少ないので、副業のためだけに確定申告の手間をかけなくてもよい、とされているからです。ですから、たとえば医療費控除や住宅ローン控除などのために確定申告する時は、副業の所得が20万円以下でも申告する必要がありますので気を付けましょう。