はじめに
ラーメン店開業・経営の裏側を伝えるシリーズ「超人気店の店主が語るラーメン店開業・経営の裏側」。【その1】では、ラーメン界の風雲児「MENSHOグループ」の代表・庄野智治さんに、お店をOPENさせる前段階のお金にまつわる話を伺いました。今回は、いよいよお店をオープンした後、商品であるラーメンの販売に関する経営知識を語っていただきます。
禁断の質問!ラーメンの理想の原価は?
ーーラーメンで一番コストのかかるものは何でしょうか?
庄野: 圧倒的にスープですね。原料はもちろん、それを作る際に人権費やガス代もかかります。
特にガス代は経費として見落としがちですが、想像以上にかさみます。理想のスープの味を出すためには、時に何十時間も煮続けないといけないこともありますから。
ちなみにですが、水道代も予想より高くつきます。毎日床を洗うときはホースではなくバケツを使う、節水器具の使用、などをするだけでもかなり経費を抑えることができます。
ーーラーメン1杯あたりの原価率は、どのくらいにしていますか?
庄野: 1杯あたりの原価というより、原価の高いメニューや低いメニューなどを含め、全メニューの原価が売上げの約30%になるようにしています。
私の店では月ごとに“創作ラーメン”なる限定メニューを提供させていただいていますが、時に原料や味にこだわるがゆえに原価率が50%に達してしまうこともあります。
もちろんそれだけ販売していたら経営は傾いてしまいます(笑)。しかし、その分、他メニューの原価を多少抑え、すべてを平均して約30%になるよう努めています。
ーーラーメンのメニューは、多い方がよいのですか?
庄野: 多い少ない、どちらがいいというよりは、狙う客層によって異なります。
ラーメンフリークの方などがターゲットの場合は、思い切って1種類のラーメンに売りを絞るのも手です。お昼時のサラリーマンや家族連れの方を狙う場合は、選べる味が多岐に亘っている方が満足していただける場合が多いですね。