はじめに

コロナ禍でおうち時間が長くなり、ペットを飼う人が増えたと言われています。その中でも人気が高まっているのが猫です。現在、国内で買われているペットのなかで飼育頭数のトップに君臨しています。

そんなペット猫の現状について、「猫を飼った後に『思っていたよりも大変だった』と感じる方が少なくありません」と話すのは、猫を泌尿器疾患から守るIoTトイレ「Toletta (トレッタ) 」を提供するトレッタキャッツの代表・堀宏治さんです。

今回は堀さんに、猫を飼う上で想定しておきたいお世話代や猫がかかりやすい病気、そして病気になったときの治療費などについて詳しく聞きました。


猫は泌尿器系の病気にかかりやすい

―― 昨今の猫ブームで猫を飼う人が増えましたが、堀さんは猫の病気について危機感を覚えていらっしゃると伺いました。

堀宏治さん(以下、堀):今、日本では猫が約950万頭、犬が約900万頭の猫が暮らしていると言われています。総務省の発表では、2021年4月時点で日本の15歳未満の子どもは1,493万人でしたので、子どもの数よりもペットの数のほうが多くなりました。

昨今の猫ブームは、猫は散歩やしつけが不要でおとなしいので飼いやすい、というのが背景にあると言われています。実際にトレッタキャッツの調査結果では、コロナ禍で猫を飼い始めた人の6割が初めて飼った人でした。

猫を飼う人が増えたことで、猫の飼育について悩む人が増えています。調査では、最も心配なことについて猫の病気や健康を挙げた人が約7割もいたにも関わらず、1~6歳の成猫が最もかかりやすい病気について約半数が「知らない」と回答しています。猫の健康が危ぶまれている現状があると考えています。

――猫がかかりやすい病気とはなんでしょうか。

堀:猫はもともと砂漠出身の動物なので、体に水分を溜め込もうとして外に水分を出さない特性があります。少ない水で濃いおしっこを出そうとするので腎臓にかなり負担がかかってしまいます。必然的に膀胱炎や尿道炎、尿路結石といった泌尿器系疾患にかかりやすいです。

ここ20~25年の間に、猫の平均寿命は2.5倍ほど延び15歳くらいになりました。野良猫のような放し飼いから完全室内飼育が広まったこと、さらにペットフードの改良などによるものですが、高齢化によってかかる病気も増えているので、以前は発症しなかった病気が発症するようになっているともいえます。

堀:高齢の猫が発症しやすい病気で代表的なのは慢性腎不全です。人間でも高齢者が患うことが多い病気です。腎不全はガンなどとは違って治せない病気なので、人間は人工透析で現状を維持しようとするのですが、猫は透析ができません。そのため、腎不全になると死亡率が高くなります。もちろん新しい治療法が出てきてはいますが完治はしません。そのため、大事になってくるのが早期発見です。

犬は健康診断も兼ねて1年に1回、狂犬病注射を必ず打たなくてはいけませんが、猫にはそういうルールがありません。外出がそもそも猫にとってストレスなので、病院に連れて行く機会や頻度がとても低いのです。その上、猫は弱みを見せない習性があるので、病気の兆候を飼い主が見つけるのは非常に困難です。ぐったりして元気がないのはかなり進行している状況です。