はじめに

少額投資の限界

いくら何でも毎月1,000円の積立投資を何十年も続けて、安心な老後に必要な資産を築けるなどと思っているおめでたい人はいないと思いますが、改めて数字を上げて考えてみましょう。

1,000円を30年間積み立てた場合、元本部分はいくらになるでしょうか。簡単な掛け算なので、誰でも分かりますよね。毎月1,000円ですから1年で1万2,000円。これを30年間続けたとしても、投資元本部分は36万円です。はい。1か月分の生活費がせいぜいでしょう。30年もの時間をかけて積立を続けて1か月の生活費を貯めたとしても、ありがたくも何ともありません。

では1万円ならどうでしょうか。10倍なのでこれも簡単に計算できます。30年間で360万円。慎ましく生活して1年間の生活費といったところでしょうか。ただ、上記の数字はあくまでも元本部分の積み上げに過ぎません。これにリターンを加えたらどうなるでしょうか。

年平均5%で運用できたとすると、リターンも含めて積み立てられた資産は832万円程度になります。「おー、832万円。結構、お金って増えるものなんだな」と思った人もいるでしょう。でも、832万円って結構簡単に無くなるお金です。

たとえば65歳で定年を迎えたとしましょう。今のところ65歳から公的年金が満額支給されますが、いずれ70歳に引き上げられることを想定して、年金を受け取れない期間が5年間あるとします。この間、働かずに832万円を取り崩して生活するとしたら、月々いくらになるでしょう。簡単な割り算ですね。そう、13万8,000円程度です。生活できます?

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