はじめに

支出を見直し、余剰金を増やすことが基本

教育ローンの早期返済を目指すにしろ、老後資金を貯めていくにしろ、毎月それらの資金に回せるお金がしっかり確保できている状況を作っておかないと叶いません。ですから、まず、支出状況を見直しましょう。これが前提となります。お子さんが就職され、同居をしていても金銭的には別であるようですから、支出を変えるチャンスの時期でもあります。

まず、お子さんのスマホ代、そして食費や水道光熱費などの一部は、ご相談者の支出から切り離したいですね。ただ、具体的にいくらかかっているとわかる支出ではないので、目安をお子さんの給料から家計に入れてもらうことを相談してみるとよいでしょう。

膨らみがちな被服費や交際費、娯楽費はご自分に小遣いという枠を設定して管理していらっしゃるので、極端に支出が多いと感じる物はありませんが、全体的に今の支出を疑い、必要な支出は残しつつ、さほど重要ではない支出をカットしていくよう検討していきましょう。

毎月お子さんの生活費を受け取り、少しでも支出が削減できれば、それを元手に教育ローン返済、老後資金作りを計画していけます。これらに取り組んでもローン返済負担が重く感じるようであれば、返済をお子さんに手伝ってもらう(負担してもらう)ことを検討してもよいと思います。

ローン返済が先か、老後資金が先か

気にされている教育ローン返済と老後資金作り、どちらを先にすべきかということですが、私は「両方に取り組む」ことがよいと思います。ローンは金利の支払いがもったいないですし、かといって老後資金を後回しにすると、時間を味方につけたお金の増やし方ができないからです。

すでに始めていらっしゃるようですが、投資信託の積立投資のように、長期・分散・積立を意識した投資は、時間を味方につけることで大きく増やせる可能性があります。時間を味方に付けるとは、長期間運用を継続するということ。そうすると、積み立てている投資信託の値動きによる利益のほか、利息にも利息が付く「複利」の恩恵も受け、時間が経てば経つほど増えていきます。教育ローン返済を優先して、その投資の時間を短くしてしまうのはもったいないと思います。

教育ローン返済は、金利はそう高くないものが多いかもしれませんが、利息の支払いは少しもったいないですね。100万円を年2%の金利で借りると、1年間で2万円程を利息として支払うことになります。何か違うことに有効的に使いたくなる金額ですよね。ですから、その利息負担を少なくするにも、可能であれば少しでも早く完済していただきたいと思います。

こう考えると、どちらを先にということはなく、前述したように支出を削減し、可能な限りをローン返済にまわし、老後資金作りにも回していくのがもっとも良いかと考えます。バランスの塩梅が必要ですが、まずは、すぐに取り組める支出の見直しからはじめてみてください。

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