はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。
上の子供が来年中学生になりますが、買い物の借り入れが100万円程あるうえ、無貯金です。下の子供は小学3年生になります。学資保険は一人100万円ほどで組んでいます。手取りは私28万円程度で、妻16万円程度。家は買わない予定です。
心配事は子供の学費と老後の資金です。上の子が大学に行くまでに600万円程貯めたいと思っていますが、今まで貯められなかったので不安です。貯める金額が適正であるのかもよくわかりません。
(40代前半 既婚・子供2人 男性)
内藤: 資産形成には計画が必要です。今まで、資産形成がうまくできなかったということですから、まずは目標の設定からはじめてみましょう。
例えば現時点で資産がゼロであっても、今後の収入の中からどの程度投資に資金を回すかを計画し、運用利回りを想定して増やしていく方法をシミュレーションすれば、将来の資産形成の形が見えてきます。
まずは借金の返済を優先
ご質問者の方の場合は、借金があるということですから、まずはその返済を優先しましょう。借入には金利がかかっていると思われますが、早く返済することによって利子の負担を軽減することができます。少し無理をしても、まずはその借金の早期返済を目標にしてはどうでしょうか。そのうえで資産運用の目標金額を立てて、その実現プランを考えます。
次に、今までの家計の問題点を考えてみましょう。今後、資産運用に回すことのできる原資は、「収入マイナス支出」で計算できます。収入がお2人で44万円ほどということですから、充分投資に資金は回せると思います。まずは、支出の見直しからはじめてみましょう。
支出を削るときに大切なこと
支出を削るときに大切なのは、10円20円といった細かい支出を節約するのではなく、大きな支出を見直すことです。一般には、マイホーム、子供の教育費、保険がそれに当てはまります。マイホームはお持ちでないということですから、教育費と保険を見直すのが先決です。
具体的な家計の見直しや資産運用計画の策定は、自分で書籍などを読んで勉強してもよいですが、途中で挫折してしまう可能性も高くなります。有料であっても、ファイナンシャルプランナーのような資産管理の専門家に相談するのが有効です。
自分の住んでいるエリアの近くにいるファイナンシャルプランナーの中から、いくつかコンタクトを取ってみて、相談してもよいと思える人がいたら、コンサルティングをお願いしてみましょう。費用はかかるかもしれませんが、続けることによって資産形成に成功すれば、コストとしてかける意味はあるといえます。
資産運用は長期で続けることが大切です。短期的な成果を求めるのではなく、10年単位でじっくり考えていくようにしましょう。その意味でも、一緒に資産運用を考えてくれるメンターのような存在は重要です。信頼できる相談相手を見つけ、二人三脚で続けていける仕組みを作れば、将来が随分明るく見えてくると思います。