はじめに

米企業業績のモメンタムが強まるか注目

8月の焦点は、4~6月期の決算発表の着地と、ジャクソンホールでの経済シンポジウムあたりを指摘できますが、後者については、米国株の変動性を高める材料にはならない可能性があります。

従来は、同会合がFRBによる資産買取縮小(テーパリング)の重要な岐路になると見られていましたが、すでに6月FOMC後に当局者の見解は一通り示された状態にあります。それを踏まえた上での足元の低金利であり、早期の金融引き締めに対する警戒感はすでに、ある程度のガス抜きが進んだと考えられます。8月のジャクソンホール会合で、市場を動かす新たな材料が出現する可能性は限定的と見ています。

他方、前者の4~6月期決算については、事前の市場予想でS&P500全体では7割を超える増益(前年同期比)が見込まれています。場合によっては、さらなる上振れも期待されるところです。とはいえ、過去の実績となった4~6月期の好業績は、足元で高値を付けた株価に十分織り込まれている可能性があります。

より重要な視点は、終わった四半期よりも、この先の業績動向にあり、向こう12か月間の業績見通しが、さらにモメンタムを強めていけるかどうかがポイントとなります。思惑通りにここから先の業績回復期待が高まるようなら、本格的な業績相場入りが現実味を帯びてくるでしょう。

日本もワクチン接種進めば景色は変わる

7月の日本株は日経平均株価が一時28,000円を割り込みました。東京都での新型コロナの感染再拡大とそれに伴う緊急事態宣言の再発出、さらには都議選での与党の不振(敗北)による政治不安などが、相場に暗い影を落としているもようです。しかしながら、ここから先、日本株が大きく崩れるとは考えにくく、一定の底堅さを見せると予想します。

ワクチン接種に関しては、一時的な供給量の調整に入っている段階ですが、いずれまた供給が確保され、順調に接種が進めば、反比例するように新規の感染者は抑制されてくるでしょう。

現在、日本では、高齢者中心に接種が進められた結果、一度でもワクチンを打ったことがある人の割合は、全人口比でおよそ3割に達しています。この水準は米国で経済再開ムードが一気に高まったときの水準に等しく、日本でも経済を取り巻く景色が大きく変わってくることを予感させる節目となります。数か月先の日本国内の景況感は、今の米国が歩む姿に限りなく近づく可能性もあります。