はじめに
就職して数年が経ち、仕事はやりがいもあり忙しい、繁忙期は終電帰り、貯蓄も少しずつ増えています。住宅ローンを借りて家を買えば節税にもなり、人気の街の駅近物件なら将来の不動産価格の下落リスクも少ない、そこで勤務先近くの単身者向けマンションの購入を考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方が結婚し、子どもが増えると頭をよぎるのは、より広い家への買い替えです。今回は、家を買い替えるときに注意したいポイントについてお伝えしたいと思います。
住宅ローンが残っていても家は買える
通勤便利な単身者向けマンションですと、不動産の値下がりリスクも少ないですが、購入価格もそれなりの金額を覚悟しなければなりません。となると、購入から数年後、家族が増えるタイミングで家の買い替えを検討しようと思っても、住宅ローンが残っている状態の方が多いのではないでしょうか。
大丈夫です。住宅ローンが残っていても、家は買えます。ただ、現在所有している物件(旧住居)を売るのが先か、新しく住む物件(新居)を購入するのが先かで事情が変わってきます。
今住んでいる物件を先に売却してしまうのが、一番安心な方法といえるでしょう。売却額が決まっているため、今後の資金計画なども立てやすくなるからです。
この場合のデメリットは、旧住居の売却から新居への引越しまで間があいてしまう場合、その間の仮住まいが必要になることです。新居への引越しまでの間の賃貸費用や、2回分の引越し費用などが余分にかかってしまいます。
気になる物件を先に見つけてしまったら
旧住居の売却より先に購入したい物件を見つけてしまった場合、現在のローンを残したまま新居のローンを組めればいいのですが、ダブルでローンを組めるほど余裕のある方は少ないのではないでしょうか。
購入したい物件が先に決まった場合、新居の住宅ローンとは別に、旧住居が売れるまでの間、旧住居のローン返済用につなぎ融資を受けられる場合があります。ただし、融資を受けるための手数料や保証料が必要ですし、融資期間も6ヵ月程度と短いことが多く、金利も通常の住宅ローンに比べて割高なので注意が必要です。
旧住居の売却代金がローンの残債を下回ってしまう場合には、住み替えローンを活用するという手があります。これは新居の購入資金に加えて、旧住居のローン残債と売却価格の差額についても融資を受けることができる制度です。
ただし、融資額は新居の価格に比べて多額になるため、返済できるだけの収入が必要になります。また、旧住居の査定金額しだいで、新居の予算変更が必要になることもあるでしょう。
つなぎ融資も住み替えローンも売却までの利息負担は発生しますし、売却を急ぐあまりに旧住居を安値で売却してしまう可能性もあります。