はじめに

無駄遣いもなく堅実な家計

ご主人の勤務先が無くなってしまったことは、ご主人のみならず、相談者様もショックだったと思いますし、戸惑われていたと思います。

そんななか、現在の収入は家計全体で29万円、支出は24万円です。預貯金もコンスタントに続けていらっしゃいますね。支出の内訳を拝見すると、特にムダ遣いになるような部分もなく、堅実な家計管理をされていますよ。とても立派です。

使途不明金がないように、このまま家計管理を継続していきましょう。

ローンの一括返済は検討の余地あり

相談者様にとっての現在の悩みのタネである、老後資金は足りるのでしょうか?

まず、負債部分から見て行きましょう。

現状では、住宅ローンの残債が600万円で、残りの返済期間は12年です。ご夫婦の年齢から考えると、奥様の現役中の54歳のときに、ご主人が65歳になるときには完済できます。このまま返済し続けても良いのですが、早いうちに一括返済をしても良いと思います。検討してください。

預貯金は2,600万円、投資は100万円です。実は、この預貯金額が一括返済をお勧めする理由でもあるのです。

現在の貯蓄は毎月4万2,000円です。ご主人が65歳になるまでこのまま12年間、仕事を続けていれば、4万2,000円×12カ月×12年で604万8,000円貯まります。ほぼ、負債と同じ金額になりますよね。

早めに一括返済した場合、ご主人が65歳のときの預貯金額は、2,600万円-600万円+600万円。つまり、2,600万円の預貯金が手元に残る計算です。

また、早めに住宅ローンを一括返済することで利息分が浮き、預貯金に回すことのできる金額も増えますので、ご主人が65歳になったときには、2,600万円以上の預貯金+投資額100万円が残っている計算になります。

さらに、将来的には相談者様の退職金400万円も加わります。相談者様が退職する時点では、少なくとも3,100万円以上が手元にあることになります。

このままの家計ならば将来困ることはない

生命保険文化センターが行った調査によると、老後の最低日常生活費は月額で平均22.1万円です。

また、厚生労働省が平成30年度に行った調査では、国民年金を含んだ厚生年金の平均支給額は月額で男性は約16万6,000円、女性は約10万3,000円です。全体の平均支給額は約14万7,000円でした。

この金額はあくまでも参考にしかなりませんが、セカンドライフをスタートする際、年金を受給しながら手元に3,000万円の預貯金があれば、夫婦2人の生活で困ることはないでしょう。

もちろん、あらかじめ「ねんきん定期便」等で受給額を確認しておき、毎月の不足分がいくらになるのかを試算しておくことをお勧めします。

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