はじめに

創業期と成長期の企業を見つけることが大切なワケ

金融業を除いた東証1部企業について、5つのどの段階に存在するのかを分類します。毎月末時点で、その時までに公表されている決算の情報から、それぞれの企業が5つのどこに位置しているのかを判断します。そして、それぞれのカテゴリーの平均的な株式リターンを集計し、どの段階の企業に投資した場合に株式パフォーマンスが良いのかを検証してみました。

3つのCFの符号からの判断ですが、直前の決算結果だけで判断は妥当ではありません。例えば昨年、コロナ禍のなかで売り上げが急減した企業も少なくありません。営業CFは厳しくなりマイナスにもなりがちです。しかし企業の判断には長期的なトレンドによる必要があります。

そこで、今回の検証では過去3年の決算を見ることにします。3つのそれぞれのCFについて3年間で2回以上プラスだったら、その対象となるCFはプラスと判断することにしました。例えば、過去3年さかのぼって、昨年がコロナ禍で営業CFがマイナスでも、その前年がプラス、前々年がプラスだと3回中2回プラスなので、企業を判断するための営業CFはプラスとします。では結果を見てみましょう

左列の【1】創業期ステージの会社に投資すると、過去5年間では年率で平均して19%のリターンとなりました。同期間の日経平均株価は年間で13%程度上昇してきたので、6%も上回っており、高いパフォーマンスだったと言えるでしょう。しかし、この日経平均株価の13%を上回っているのは、【1】創業期と【2】成長期だけです。【3】成熟期~【5】衰退期のリターンは日経平均株価と同じもしくは下回る結果でした。

つまり投資先として注目すべきなのは、【1】創業期と【2】成長期にある企業ということがわかります。企業の株式投資を検討する際には、この【1】創業期と【2】成長期にある企業を探してみるとよいでしょう。

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