はじめに
10代から30代はスマホで聴く
地上波ラジオ局の聴取者が使用しているデバイスをみると、スマートフォンの増加が目立ちます。10代から30代ではスマートフォン利用者が最多でした。
全体では、以前の調査に比べると少なくなったものの、「カーステレオ、カーナビ」が最多を維持しました。やはり、自動車の運転中に聴く機会が多いからと考えられます。
これに対し、「スマートフォン」は前回調査時から急速に増加しました。radikoやNHKの「らじる☆らじる」といったアプリを使うと、いつも手元にあるスマートフォンで聴ける手軽さが好まれたのでしょう。
そして、通常の放送エリア外でも聴取可能な「エリアフリー」や、聴き逃した放送を後から聴取できる「タイムフリー」といった今までのラジオ放送になかった機能が、ラジオ番組の魅力を高め、聴取者を増やした可能性があります。ちなみに、「タイムフリー・聞き逃し機能などで放送後に聞く」は20.2%いて、2018年に行った前回の調査から増えました。
「携帯ラジオ ※ラジオ機能のみ」という回答は、スマートフォンと反対に大きく減少しています。
コロナ禍で増えた聴取者
聴取する地上波ラジオ放送の番組は、「トークを聞く」「音楽を聞く」「ニュース・天気予報を聞く」が聴取者全体の5割前後です。また、「運転中、車の中」で聴取する人が36.8%と比較的多いためか、「交通情報を聞く」という回答が23.4%ありました。
男女別、年代別では、男性は「ニュース・天気予報を聞く」「スポーツ中継を聞く」、女性の10代と20代では「暇つぶし」、女性の60代と70代では「家事をしながら」、という回答の割合が高かったそうです。
この1年間に地上波ラジオ放送を聴く機会の増えた人は9.4%いました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策によって、自宅で過ごす時間や自動車で移動する時間が長くなった影響でしょうか。特に、10代と20代、主にインターネット経由で聴取する層で増えました。