はじめに

インド株は日本株にとっての「希望の光」

足元の日本はそうした域には達してはおらず、株式市場が厳しい状況に置かれていることは事実です。しかし、新型コロナのワクチン普及とともに感染が一服すれば、日本にもいずれ経済再開相場は訪れると考えられます。

そういう意味では、見事な相場復活を遂げたインドは、日本にとって希望の光といえるかもしれません。インドでは5月初めに1日の新規感染者数が40万人に達する日もありましたが、今ではそれを2.5万人程度まで抑え込んでいます。

そうした状況が、インド景気回復への期待を高め、足元の株高に結びついていると考えられますが、日本でも感染の広がりをコントロール可能なレベルにまで、再び落とすことができれば、日本株もインド株と同様の道筋を辿ることが期待できると思います。

日本株の出遅れは反騰局面での反発力を高めよう

勝ち組の米国株との比較で、日本株がいかに出遅れ、割安な状態にあるかを測る上で、日本と米国の予想PER(株価収益率、株価÷1株あたり予想利益で計算)格差に注目してみましょう。日本(TOPIXベース)の予想PERが14倍台後半であるのに対して、米国(S&P500ベース)の予想PERは21倍台前半で、その差は6.5ポイントほど開いています。

過去5年間を振り返ってみても、日米の予想PER格差がここまで拡大したことはほとんどなく、米国株との相対比較で、日本株がきわめて割安な状態に甘んじていることがわかります。そのため、今後、日本株に本格的な反騰局面がやってきた時には、極度の出遅れが反発力を高める可能性があるとみています。

<文:チーフグローバルストラテジスト 壁谷洋和>

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