はじめに
起業は十分計画してから
定年前に起業を、とのことですが、どのような分野で起業する計画でしょうか。起業するにも、士業のように経費のあまりかからないものから、商店のように店を構え、仕入れが必要だというものもあります。起業資金があまりかからないものであれば、貯蓄への影響は少ないでしょうが、資金が大きく必要な場合は、例え起業資金が十分あったとしても、その後の生活資金や老後資金が不足する可能性があります。起業には、リスクの差はあれど、生活費のことも踏まえると、それなりの危機管理が必要になります。
夢をかなえるためには、やはり貯金や投資といった貯蓄を増やすことが一番です。起業時に借入も視野に入れているのかもしれませんが、このほぼ貯金がない状態で、定年間近に起業するのは心配です。
標準的な家計と比較して突出しているところを見直す
メタボ家計では、支出の必要性を吟味して、さほど必要のない支出を減らすという家計改善法をとることが多いですが、中には今の支出が当たり前になっていて、さほど必要ではない支出が何かに気づけない人も多く見受けられます。
ご相談者も、客観的に見ると支出が多すぎる費目がたくさんあるのに、どの支出を減らせるかわからないという状況のようです。この場合、一般的な家計、いわゆる理想的な家計と比較して突出しているところを見つけていくことで、効果が上がる場合があります。
一般的、平均的な家計を知ると、いかに我が家の支出が多いのかを実感できます。そこを、平均まで下げる努力をすべきか、必要な支出だから維持するべきかを検討してみましょう。
例えば、比較するまでもなく、多いと思う費目は、食費、水道光熱費、日用品代、自動車関連費、娯楽費です。これらが生活上欠かせないもの、生きる上で大切なものに対する支出であれば無理に平均に近づける必要はありません。ですが、その突出している金額を補うために、他の支出を下げてバランスを取ることは必要です。よく、検討してみましょう。