はじめに
支出の見直しに加え、長期的な資産形成を視野に
支出を見直せば、ご家庭の貯金は、かなりスピードアップして増やせると思います。現状、家族の貯金がないというのが心配なところですので、おおよそ生活費の1年分の貯金を作ることを目標にして取り組んでいきましょう。
貯金を作るには順番があります。まずは生活を安定させるための「使う」貯金。月の生活費に0.5カ月分の余分を持たせ、突発的な支出があっても、貯金を切り崩さなくて済むようにします。余分を使ったら、翌月から支出を抑えることを意識し、また1.5カ月分が貯められるようにしていきます。
「使う」貯金が十分にできたら、次は「貯める」のステップです。この段階では、失業したり、病気をした時などの「生活防衛資金」を貯めます。
生活防衛資金は、生活費6カ月分というのが一般的です。しかし、コロナ禍による家計の不安を多く耳にするようになったため、最近では「使う」と合わせて12カ月分ほど準備しておくとよいとお伝えしています。教育費用貯金のような、この3年ほどのうちに使う目的のある貯金は、これとは別に貯めておきます。
起業資金は預貯金で貯めてもいい
以上の貯金ができたら、通常は「増やす(投資)」のステップに進むのですが、起業資金を作るには、しっかりと預貯金で貯めるのもいいでしょう。投資で作るという考えもできますが、定年前に起業するなら、あと12年ほどの期間しかありません。必要な時期に資金が準備できない可能性もありますから、投資で資金作りをするか否かはよく検討してください。
また、今の資産は持ち株、保険が中心となっています。今回のご相談をきっかけに、それぞれのメリット・デメリットを調べて、資産の置き方を検討されてもよいと思います。
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