はじめに

相変わらず指標が出るたびに変わる市場のセンチメント

市場予想よりかなり弱いNFPを受けて、市場のファーストリアクションはドル売り、米国債利回り低下となりました。ただ、失業率が市場予想通りの0.2ポイントの改善だったことを受けてか、すかさずドル買戻しが出て、米国債利回りも上昇し、米雇用統計発表前の水準まで一気に戻す展開となりました。あまりにも早い切り返しで、A.I.(人工知能)よりも手が遅い人間は、ドルの底値で売って、戻り高値で買い戻させられたかもしれません。

前月発表された7月米雇用統計発表時も市場はデルタ変異株の感染拡大懸念がありましたが、結果がかなり強い内容だったことで、その懸念が無くなりました。しかし、今回8月のNFPではデルタ変異株の感染拡大懸念が再燃したかたちです。

また、米8月雇用統計後に出てきた著名人の市場見通しでは、「米テーパリング先送り」、「米テーパリング年内開始に影響しない」と、意見は分かれています。

相変わらずセンチメントがころころ変わる市場に、投機筋、ド短期デイトレ、ジョバーはポジションを持ちづらくなっていることと思われます。

バランスのとれたパウエル米FRB議長発言

8月27日に行われたFRBパウエル議長のジャクソンホールでの発言をみてみましょう。

発言元の英文全文内で、COVIDというワード使用は3回、DELTAというワード使用は3回使われました。現在のデルタ変異株感染拡大はあんまり心配していないようです。そのほかにも、様々な表現で「データ次第だ」語り、年内テーパリング開始時期を特定させたくない印象を受けます。

聴衆や市場関係者に変な思い込みをさせない、非常にバランスの取れた講演だったと思われます。