はじめに

お得に賃貸住宅を借りる方法

敷金・礼金や仲介手数料がかからない物件、フリーレントの期間がある物件などもありますが、自治体で家賃補助などを行っている場合もあります。

自治体の定住促進政策として、新宿区では若い世代(18歳~28歳)向けに月額1万円の家賃助成を3年間実施しています。(年1回の募集で、平成28年度は30世帯募集していました。平成29年も秋ごろ募集予定です。)

ファミリー向けの助成をしている自治体も多く、23区内だけでも、北区、目黒区、千代田区など多くの区で家賃助成や引越し時の費用助成などを行っています。

気軽に住み替えが可能な賃貸住宅ですが、リスクはあるのでしょうか。都心の住宅では2年に一度、新家賃の1ヵ月分の更新料が必要となる物件が一般的です。また、通常は経年とともに家賃は下がるものですが、人気エリアの物件では、更新時に家賃が上がっている物件も散見されます。古くなれば家賃が安くなる、と言い切れないのが現状です。

修繕費用の負担と住宅ローン減税

最初の試算では、年間費用を比べると「購入<賃貸」となり購入に軍配が上がりましたが、先ほど述べたように購入した場合は修繕費用の負担が大きくなりそうです。

マンションの場合、10~15年ごとに大規模修繕が実施され、外壁や共有部分の修繕が行われます。この費用は毎月の修繕積立金から支払われますが、当初の修繕見積もりの甘さや工事費用の高騰などで、修繕積立金で賄いきれないこともあります。このような場合には、修繕のための一時金が徴収されたり、修繕積立金の値上げが行われたりすることもあります。専有部分の配管など、見えない部分の修繕費用も物件所有者の負担となりますので、時が経つにつれ、修繕費負担が膨らんでいきそうです。

一方で、住宅購入者には住宅ローン減税という税金の還付制度が国から用意されています。確定申告や年末調整の際に申告することで、今回の例では最大約350万円の減税効果が得られますので、これで将来の修繕に備えることもできそうです。

初期費用や修繕費はかかりますが、住宅ローン減税を受けられ、ローン完済後は毎年の費用負担が激減する“購入”。長く住むほどお得になり、将来的には売却収入を得ることも可能です。

一方、家賃支出が安定しており、修繕費も基本的に大家さんもちとなる“賃貸”。気軽に引越しという選択ができるのも魅力です。

都心であれば物件価格は下落しにくいため、初期費用を捻出できるのであれば、購入がお得といえそうです。ただし修繕費の負担もありますので、購入はミドルリスク、ミドルリターン、賃貸はローリスクといえるでしょう。家賃助成や減税制度をうまく利用して、ご家庭にあった住まいを見つけられるといいですね。

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