はじめに

3年後にFIREは現実的?

まず、資産運用の想定ですが、月に5万円を運用にまわし、105万円のボーナスも運用にまわし、元本7,000万円と合わせて4%で運用できれば計算上は8,400万円に到達します。相談文の8,300万円という想定より大きな金額になっていますが、これは運用期間の想定がずれているからだと思います。

投資運用をされていればわかると思いますが、重要なことは、「投資は想定通りにいくかは分からない」ということです。10年以上の長期運用で運用するならば、平均複利4%は実現性がある数字だと思いますが、3年という短期では、ボラティリティ(資産の価格の変動率)が大きく、どうなるかわからならないと思います。資産のポートフォリオがどのように組まれているのかわかりませんが、4%を想定するには株式の比率がそれなりに高いと思いますので、FIREの時期は3年と決めず、目標金額を達成したら、という感じで考えると良いと思います。

FIREの理論通りにいくとは限らない理由

一般的なFIREの理論は、「年間生活費の25倍を貯めて、株式と債券で運用しながら4%ずつ取り崩していく」というものです。

FIRE後の生活費用は30万円/月を想定されていますが、30万円/月ということは、年間で360万円の生活費がかかります。そのうえで、25倍となると9,000万円が必要になるので、8,400万円では若干足りないことになりますね。

「4%」という数字は、米国の税率が運用益に対して10%しかかからないことが前提になっています。日本では運用益に対して20.315%が発生するので、若干不利になります(NISA枠や確定拠出年金での運用ではなく、課税口座の場合)。

仮に8,400万円という大金が手元にあっても、月30万円ずつ取り崩していっても大丈夫ということにはならなそうです。選択肢としては、生活費を抑えるか、資産をもっと増やすことが必要になってきます。

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