はじめに

実家を出て発生する費用は?

次に、生活費について考えていきたいと思います。

現在はお母様と同居しており、お母様は住居兼用のお店で薬局を経営されています。そしてご相談者さまの職業は「会社員」といただいていますが、小規模企業共済に加入していることから、お母様と共同経営者、または役員をされているのだと想定します。FIRE後に現在のパートナーと同棲または結婚を考えていらっしゃるとのことですが、その場合の生活費は「10万円の家賃・光熱費が増える」と想定されていますが、実際にはもっと増える可能性があります。

ひとつずつ見ていきましょう。

【家賃】
実家なので現在は発生していませんが、パートナーと同棲する場合、折半をしても5〜10万円ほどはかかる可能性があります。また、引越し費用・敷金礼金・仲介手数料・火災保険などが発生することを想定しておきましょう。

【食費】
現在実家のため2万円となっていますが、同棲・結婚したら増える可能性があります。

【水道光熱費】
現在1万円となっていますが、ガス・水道・電気の支払いがさらにかかる可能性があります。

【日用品】
シャンプー、石鹸、ティッシュ、トイレットペーパー、洗剤、洗浄用具(トイレ・お風呂・水回り)歯ブラシ、歯磨き粉、電球、ゴミ袋などが必要になってきます。

【特別費】
テレビ、冷蔵庫、レンジ、掃除機、ドライヤー、布団、枕、ベッド、パソコン、携帯など、実家暮らしで共有できていたものの費用が新たに発生する可能性があります。

【交際費・趣味娯楽】
現在10万円を想定

これらの支出が、パートナーとの新しい生活の中で、どれくらい発生するかが分からないので、30万円以内で生活できるのか、さらにかかるのかは実際に生活を始めてみないと見えてこないのではないかと思います。

FIREは、将来の生活イメージをしっかり持ってから考えても遅くない

FIREは、将来の生活イメージをしっかり持ってから考えても遅くないと思います。実家から離れてパートナーと暮らすというのは、大きなライフステージの変化になります。状況が大きく変わるのであれば、まず変化を体験してから、その状況に合わせてどのようにFIREを達成していくかを考えればよいと思います。

FIREは概念として「働いても・働かなくても良い自由を得る」ことと言われます。そして、ご認識の通りサイドFIREと呼ばれる、資産の取り崩しをしながら足りない分を働いて補う方法もあります(サイドとは「サイドハッスル=副業」から来ており、得意なことを生かし、楽しみながら収益を得るイメージです)。

焦らずに、まずライフイベントやライフステージの変化を先に経てから、状況に合わせて柔軟に考えるとよいのではないでしょうか?

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