ドン・キホーテや量販店で販売されている「聞いたこともないメーカー」のトースターや電子レンジ、冷蔵庫などを見たことはありませんか? このような家電は「ジェネリック家電」と呼ばれています。

このジェネリック家電、意外と品質が良くて価格が安いため、大手メーカーの家電製品を抑えどんどん市場に増加し始めています。さらに、ジェネリック家電の先を行く、新しい動きが始まっているようなのですが……。その動きとは一体何なのか? 解説してみましょう。


ジェネリック家電が登場した背景

昭和の時代には無名メーカーが販売する価格の安い家電は文字通り「安かろう悪かろう」で、すぐに壊れたり、冷蔵庫だったらいまひとつ冷えなかったりと、安い家電は不人気でした。

ところが、最近のベンチャー家電メーカーの商品は、低価格にもかかわらず大手メーカーと同等の性能を備えているものが多いです。医薬品の世界では「ジェネリック薬品」と呼ばれる商品がありますが、それと似ているということから、このような家電は「ジェネリック家電」と呼ばれるようになりました。

なぜ、ジェネリック家電は安くて性能がいいのでしょうか? 理由は3つあります。

1つ目は、冷蔵庫や電子レンジなどの定番商品は、大手メーカーが先に開発した技術や部品が存在しており、それらを、特許を侵害しない形で利用して製造できること。

2つ目は、ベンチャーでも設計だけできれば、あとは生産を委託できるEMSを利用できるようになったこと。EMSとは、台湾や中国に多い、製品の生産だけに特化した受託製造の会社のことです。

そして3つ目は、大手メーカーの価格が、間接コストの上乗せによってそもそも高いこと。つまり、ジェネリック家電は相対的に「安く見える」ということです。

その結果、大手メーカーの家電よりもジェネリック家電の方が「お得だ!」という状況が起きているわけです。

注目される斬新なベンチャー家電

さて、この状況で終わらないところが昨今の家電市場の面白いところです。

高年齢の従業員を抱えた工場や本社を維持しなければならない大手メーカーより、ベンチャーの家電メーカーはコスト的に優位であるといえます。

だとすれば、大手メーカーで家電ビジネスを理解したビジネスパーソンが集まって新会社を作れば、大手とは違ったルールで家電市場を戦うことができるはずです。大手より高付加価値の製品でも、消費者に支持される価格帯で商品を発売することができるのです。

この発想で、近年ジェネリック家電業界から抜け出す形で新しい展開を見せている家電ベンチャーにバルミューダがあります。

私が最初にバルミューダの製品に気づいたのは今から一年ほど前。ビックカメラで新しいトースターを購入しようとしていたときのことでした。トースターはジェネリックで十分だと思い最初は安い商品を探していたのですが、ちょっと気になる製品が目につきました。