はじめに

「新型コロナ」絡みの、関連DIは軒並み改善

景気ウォッチャー調査の判断DIは「良」から「悪」までの5段階の回答を1~0まで0.25刻みで点数化し、回答数で加重平均計算するシンプルなものです。注目される事象に関するコメントだけから算出したDIを簡単に作成出来ます。全体のDIと、注目される事象に関するコメントから算出した関連DIを比べることで、その事象の影響を判断することが出来ます。

「緊急事態宣言」関連判断DIを作成すると、9月分の現状判断DIは39.7で前月差13.1ポイント上昇し2カ月ぶりの改善になりました。一方、先行き判断DIは65.9で前月差28.5ポイントの大幅上昇です。解除前と後に関する判断のため、景況判断の分岐点50を「下回る・上回る」で現状判断と先行き判断が大きく分かれました。

「新型コロナウイルス」関連判断DIを作成すると、9月分の現状判断DIは44.2で前月差15.2ポイント上昇し2カ月ぶりの改善になりました。一方、先行き判断DIは58.9で前月差18.3ポイント上昇し、新型コロナウイルスという言葉が景気ウォッチャー調査に初めて登場した2020年1月以降の最高水準を更新しました。現状判断、先行き判断とも「新型コロナウイルス」関連DIは全体DIを上回り、新型コロナウイルスが景況感の足を引っ張らなくなったことを示唆しています。

ワクチン接種が順調に進む中、9月の「ワクチン」関連判断DIは現状が55.3、先行きが67.1と判断の景況判断の分岐点50を大きく上回りました。

「第6波」という言葉が、先行き判断のコメントに出てきました。「第6波」関連先行き判断DIは55.1と景況判断の分岐点の50を上回っています。「緊急事態宣言が解除されても、新型コロナウイルス感染第6波も想定されるため、外食などは余り増えないと考えられる。」(南関東:スーパー(販売担当))という慎重な意見がある一方、「ワクチン接種の進展により緊急事態宣言解除後の第6波が来ないことに期待しつつ、各納品先が通常営業の状態を維持できるようになればとの期待を込め良くなると考えている。」(沖縄:輸送業(経営企画室))という楽観的な意見もあります。

懸念の「中国」と「半導体不足」、先行き判断は底堅く

新型コロナウイルスの他にも、景気への懸念材料があります。「中国」関連判断DIを作成すると、9月の現状判断DIは37.5で、先行き判断DIはそれより高い45.8になりました。「中国の大手不動産会社の経営危機によるショックが大きくならなければ、下半期も堅調に推移すると予想される。」(近畿:人材派遣会社(支店長))というコメントがありました。中国の動向は、環境規制の強化と二酸化炭素排出削減を背景にした電力供給懸念もあり、要注視でしょう。

「半導体不足」関連判断DIを作成すると、9月の現状判断DIは33.0で、先行き判断DIはそれより高い48.1になりました。「半導体不足で自動車生産などが部分的に止まっており、関連中小企業は苦しいが、半導体製造装置メーカーは大変忙しく、関連部品メーカーが大増産になっている。近々自動車関連メーカーに半導体が届くようになれば、製造業の多くが動き出す。」(南関東(東京都):人材派遣会社(支店長))というコメントがありました。半導体不足等が製造業に与える影響に関しても要注視です。

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