はじめに

再びハイテク株に物色が回帰する可能性も

これまでの米金利の低下によって、株式市場でもっとも恩恵を受けてきたのはハイテク株、ナスダック指数であるといえます。もともと、ハイテクのようなグロース株と金利は逆の動きをすることが多く、リスク回避による金利の低下(債券価格の上昇)が、ハイテク株の魅力を再度高める結果につながっています。また、感染拡大と巣ごもり消費拡大への連想が、ハイテク株の追い風になっているもようです。

日経平均株価との関係を考えた場合、米国の主要3指数(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)との相関(連動性)で、もっとも相関関係が強いのは、ナスダック指数となっています。日経平均株価もハイテク株の比重が大きいので、ナスダックと連動しやすいと解釈されます。

今後、過度なインフレ懸念が後退するとともに、金利が低位で安定するのであれば、ハイテク株には有利となりそうです。そして、その好影響がハイテクの比重の高い日経平均株価にも波及する可能性があると考えられます。

米国経済の強さを糧に冷静な対応を

12月に入り、これからホリデー商戦が本格化していきます。今年の米国でのホリデー商戦では、前年比で1割前後の売上の伸びが予想されています。インフレとコロナを巡る不透明感が払拭できない中でも、それに負けない米国経済の強さが示されれば、市場の安心感は高まりそうです。

突如として出現した変異株オミクロンに関する情報は限定的で、予断を許さない状況はしばらく続きそうです。しかし、変異株感染の拡大防止に向けて、渡航制限の強化など、各国が素早い対応を見せていることは事実ですし、製薬会社も早期のワクチン改良に動き出しています。

過去の変異株の出現と今回が異なるのは、過去の教訓を活かせる点です。株式市場では、コロナとの闘いは続きますが、闘い方もしたたかになっていくことでしょう。市場に携わる立場としては、パニックに陥ることなく、冷静な対応に努めたいところです。

<文:チーフグローバルストラテジスト 壁谷洋和>

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