はじめに
住宅ローンの基本「返済比率」を知ろう
住宅を購入する際に、返済可能な住宅ローン金額の目安を出すために重要なのが「返済比率」です。
「返済比率」とは、世帯年収に対する住宅ローンの年間返済金額の割合のことです。銀行などの金融機関では、住宅ローンを「借入れ可能な金額」は、この返済比率を、おおよそ30~40%に設定しています。
ご相談者の現在の世帯年収が、手取りから逆算して約860万円程度だと仮定します。すると、【860万/年×35%÷12か月=25万833円/月】となり、月々の返済25万円/月程度まで借入れ可能となります。
ただし、金融機関でローンの審査をする場合には、実際に借入れする際に適用される「適用金利」ではなく「審査金利」が用いられます。審査金利は金融機関によって異なりますが、3.5~4%程度で設定している金融機関が多いと言われています。
「フラット35」の場合は借り入れ可能額が大きくなる
なお、「フラット35」に関しては、適用金利が審査金利となり、借入れ可能な金額が大きくなります。仮にご相談者がフラットで借り入れ可能な金額を試算すると、
借入金額 8,000万円
月々返済額 23万8,340円
適用金利 1.33%(2021年12月時点)
期間 35年
となり、8,000万円近くも借入れ可能と試算できます。ただ、実際8,000万円も借入れするのは現実的ではないですよね。では、「借入れ可能な金額」ではなく「返済可能な金額」を考えてみましょう。
「返済比率」=「返済可能な金額」でないことに注意!
「返済可能な金額」の返済比率の目安は、世帯年収の20~25%程度と考えるといいでしょう。それも、働いて、収入があるであろう期間の65歳までの返済期間で考えると、より安心です。実際に組む際は、35年でもよいですが、65歳以降の返済をどのように行うかについて、退職金の有無も含めて考えておいたほうがいいでしょう。
ご相談者の場合、仮に4年後の40歳で購入、世帯年収が下がってしまった場合で考えると、【700万/年×20~25%÷12か月=11万6,666円/月~14万5,833円/月】となります。すると、
借入金額 3,600万円
適用金利 1.33%(2021年12月時点)
期間 25年
月々返済額 14万1,119円
となります。一般的な返済比率から考えると、3,600万円程度の住宅ローンが適正な範囲内と言えます。もし4,000万円程度の物件を考えるのであれば、諸費用や頭金など含めて600万円程度は準備しておく必要があります。現在、年間で172万円の貯蓄が出来ていますので、4年間で貯められる計算となります。