はじめに
100万円の医療費がかかった場合、実際の自己負担額はいくら?
もし、この制度があるから医療・介護保険はいらない、というのであれば、なぜこれだけの方が保険に加入されているのでしょう。もちろん、制度のことを知らない、よくわからないことも理由のひとつです。慣習的に保険に入っている、よくわかっていないだけの人もいるかもしれません。
では本当にすべての医療費をカバーできるのか、もしくは、どれだけ負担額を減らすことができるのか「高額療養費制度」から見ていきます。
高額療養費制度って?
「高額療養費制度」とは、窓口負担3割の額が収入区分で決められた上限を超えた場合に、その超えた分の医療費が還付される制度です。
多くの事例で紹介されるのが区分【ウ】の場合です。
収入の全国平均が500万円※1、一番高い東京の平均を見ても620.4万円※1ですので、これを例として出すのは至極当然です。
ここだけ見れば「医療費が100万かかるような大きな病気をしたとしても、実際の負担額は10万円以内だから保険に入るのはもったいない!」という話の流れも大枠では間違いとは言えません。
※1参考 厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2019年)