はじめに

iPhone8の販売が始まりました。「いつもの新製品発売と同じか?」と思っていたところ、どうも今回は販売戦線に異変が起きている様子です。というのも今回、みごとに三社横並びの価格設定が崩れているからです。

なぜ横並びがなくなったのか? それは三社に共通する新しい敵、「格安スマホ対策」が今回のテーマになっているからです。各社の価格表から透けて見える三社の戦略について解説してみたいと思います。


iPhone8は大手三社で買うほうがお得

iPhone8の販売が始まりました。アップルストアでの価格で、4.7インチのiPhone8 64GBモデルの78,800円(税別)から、5.5インチと大きめのiPhone8 Plus 256GBモデルが106,800円(税別)まで。

11月発売予定の5.8インチディスプレイの最上位機種iPhone Xはまだ購入はできませんが、価格は64GBモデルで112,800円(税別)とさらに高く設定されています。

ニュースによると発売日のアップルストアは「がらがらだ」というのですが、それはあたりまえです。アップルストアの定価でiPhone8本体を買ってそれを格安スマホで使おうとしても割に合わないからです。大手三社のプランで通信料金とコミコミの形にしたうえで、お得な条件を引き出したほうが新型iPhoneはずっと安く手に入ります。

つまり、大手三社にとってiPhone8は格安スマホと対抗するための最高の武器となります。上で述べた理由から、新規でiPhone8を購入し格安スマホを利用するのはあまり得策ではありません。ですから、iPhone8が欲しい人にとって格安スマホは選択肢に入りにくいのです。

格安から大手三社に出戻る人が増える

また、これまで格安スマホを使ってきたユーザーが「そろそろ高機能のスマホに切り替えたい」とか「もっとたくさんの通信量のプランに切り替えたい」と思った場合に大手三社に戻ってくるきっかけになる可能性があります。

特にiPhoneしか使いたくないというユーザーの場合、最初に大手三社で購入したiPhoneをSIMフリーにしたうえで、2年しばりが切れたiPhoneに格安スマホのSIMカードを差し込んで使う人が結構な数、存在します。

しかし格安スマホユーザーにとって一番のボトルネックは、そうして3年目、4年目とiPhoneを使っているうちに電池が大幅に劣化してしまうこと。そうなるといくら格安でも電池が外出中に足りなくなるなどの不便が出てきます。

ですから、格安スマホユーザーもiPhone本体が劣化したら、また大手三社に戻って新しく性能が上がったiPhoneを購入するという付き合い方を選ぶはずなのです。

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