はじめに
希望が見える2つの日本株
これらの状況を踏まえると、短期的に株価が大幅反発するというシナリオは描きづらいのではと筆者は考えています。ただ、もう少し長い目線で考えると「アフターコロナの観光関連銘柄」には大きく期待できるのではないでしょうか。日本の2つの銘柄にそのヒントが出ているので、ご紹介します。
まず1つ目は東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(4661)の株価動向です。以下の株価チャートの通り、オリエンタルランドの株価は今年に入ってぐんぐん上昇しなんと上場来高値を更新しています。
1月末に発表された第3四半期決算で10~12月の3ヶ月は増収増益で営業黒字に転換しました。今期は最終赤字予想ですが来期以降の業績に期待が高まっています。オリエンタルランドの株価はさすがに割高感があるように筆者には思えますが、マーケットのアフターコロナへの期待感が反映されているのかなとみています。
また、メディアでも話題になりましたがANAホールディングス(9202)が10~12月決算で営業黒字に転換しました。元々ANAは四半期ベースで5000億円以上の売上があり、ようやく黒字が出ていた会社です。それが直近は3000億円強の売上で黒字を達成したわけですから、並々ならぬ企業努力が伺えます。
これはANAだけではなく、多くの日本企業に言えることではないかと考えています。観光、飲食などコロナによって苦境に立たされた多くの企業のなかにはこの苦しかった数年間にコスト削減に取り組んだ会社が非常に多いと思います。コロナ禍で筋肉質となっているところに、経済正常化となれば大きな利益成長が期待できるのではないでしょうか。
今は多くの地域でまん延防止等重点措置がとられておりそういった雰囲気はありませんが、今後世界的にコロナが収束にむかっていけば、海外からの観光客いわゆるインバウンドも再び増加してくるでしょう。すでに1ドル115円の円安水準ですが、冒頭申し上げたように米国の金融引き締めが進んでいけば米日の金利差拡大に伴い一段の円安進行の可能性もあり、そうなれば日本に旅行して買い物したいという海外の方は非常に多いと思います。日本政府も元々国策として外国人観光客の増加を掲げていたわけであり、再び積極的な誘致を行うでしょう。
足元は確かに悲観的な材料が多く株式市場の大幅反発は難しいかもしれません。しかし、株式投資の世界では常に未来を予測することが大切です。もちろん筆者の予想が外れる可能性も大いにありますが、ぜひ皆様が考えるためのヒントとして使っていただければ幸いです。